今回は資生堂の美白乳液の成分解析と使用レビューをします。
それが、こちらのエリクシール ブライトニング エマルジョン WTです。
エリクシールのローション購入の際にサンプル品が手に入ったので、こちらで使用感レビューしてみます。
2023年2月にリニューアルされ、人気の高い乳液の一つとなっています。
アットコスメでは、
@cosmeベストコスメアワード2023 上半期新作ベスト乳液 第1位
@cosmeベストコスメアワード2023 上半期新作コスメ 価格別賞 ミドルプライス部門 乳液 第1位
を受賞し、見事2冠に輝いています。
他にも
VOCEのブライトニング・UVケアベスコスのブライトニング乳液・クリーム部門
でも1位を獲得しています。
このような実績から2023年上半期最も人気のある乳液である、と言っても過言ではないでしょう。
そんな大人気の乳液で気になるところですが、やはり配合成分や使用感などは購入前にしっかりとチェックしたいと思いませんか??
そこで、このエリクシールの乳液の成分解析や使用レビューを通じて、真の実力を調べてみました。
この記事で、エリクシール ブライトニング エマルジョン WTの特徴が良く分かると思いますので、最後までご覧ください。
エリクシール ブライトニング エマルジョン WTの特徴
まずは、簡単にエリクシール ブライトニング エマルジョン WTの特徴をお伝えします。
ブライトリフレクト処方
ブライトニング エマルジョン WTはブライトリフレクト処方が採用されています。
透明感とハリに着目し、以下の成分が配合されています。
- 4MASK
- グリチルリチン酸ジカリウム
- メリロートエキス
- 水溶性コラーゲン
- オトギリソウエキス
これらの成分によって、うるおって光をきれいに反射する肌に整え、透明感とふっくらしたハリを与える、と訴求しています。
世界初の光解析システムの知見が活かされている
ブライトニング エマルジョン WTには、新たな光学計測システムの知見が活かされています。
この技術の概要を理解するため、資生堂のリリース内容を抜粋しますと、以下の通りです。
顔の立体形状に加えて、これまで分析が難しかった肌内部の散乱光を、非侵襲的にビジュアルや数値で総合的に計測・解析できる画期的な光学計測システムを開発しました。このシステムを使い、加齢によって内部散乱光が減少すること、また、内部散乱光にはメラニンや角層の状態など5つの要素が関連することが明らかになりました。(一部略)
引用元:PR TIMES
この技術によって、肌の透明感のカギがより詳細になり、それが透明感を高める製品開発に活かされています。
この新技術に関しては、資生堂のニュースリリースにも詳しい記載があるので、興味がある方はこちらもご覧ください。
製品自体だけでなく、評価方法の確立にも力を入れているんですね。
選べる使用感
ブライトニング エマルジョン WTには、3つの使用感違いがあります。
それぞれ以下の名前で販売されています。
- ブライトニング エマルジョン WT Ⅰ
- ブライトニング エマルジョン WT Ⅱ
- ブライトニング エマルジョン WT Ⅲ
最後の数字が大きいほど、しっとり感が上がっています。
保湿力は同じと言っていますね。
使う方の好みや肌質、季節などに合わせて使いやすいものを選べます。
今回は真ん中のⅡの使用レビューをしています。
HAKUと同じ美白有効成分
ブライトニング エマルジョン WTには、資生堂の美白ブランドHAKUと同じ美白成分が使われています。
4MSK(4-メトキシサリチル酸カリウム塩)という名前で、資生堂独自の成分です。
独自成分なので、資生堂の化粧品にしか配合されていません。
さらに、通常はHAKUをはじめとする高価格帯のブランドに配合される成分です。
しかし、この4MSKが今回ミドルプライスのエリクシールにも配合されており、高価格帯の成分をお値打ちに使えるようになっています。
4MSKは資生堂が長い年月をかけて開発した美白成分です。
このエリクシールでより多くの方が使えるようになりましたね。
ブライトニング エマルジョン WTの成分解析
ブライトニング エマルジョン WTの成分解析をしていきます。
以下が、全成分表示です。
4-メトキシサリチル酸カリウム塩*,グリチルリチン酸ジカリウム*,オトギリソウエキス,メリロートエキス,加水分解コンキオリン液,オリーブ葉エキス,ヨクイニンエキス,L-アルギニン塩酸塩,オランダカラシエキス,イノシット,水溶性コラーゲン(F),精製水,ジプロピレングリコール,1,3-ブチレングリコール,α-オレフィンオリゴマー,濃グリセリン,2-エチルヘキサン酸セチル,イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル,デカメチルテトラシロキサン,メチルポリシロキサン,マルチトール液,モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル,ワセリン,ベヘニルアルコール,ステアリン酸,イソステアリン酸,ベヘニン酸,カルボキシビニルポリマー,水酸化カリウム,バチルアルコール,ポリオキシエチレン(17)ポリオキシプロピレン(4)ジメチルエーテル,キサンタンガム,エタノール,N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2-オクチルドデシル),ピロ亜硫酸ナトリウム,メタリン酸ナトリウム,2-O-エチル-L-アスコルビン酸,エデト酸二ナトリウム,ローズマリー油,塩酸リジン,ヨモギエキス(2),フェノキシエタノール,香料,ベンガラ,黄酸化鉄 *は「有効成分」無表示は「その他の成分」
こちらの情報を基に、特徴的な成分などをピックアップしますね。
ブライトニング エマルジョン WTは医薬部外品なので、有効成分とその他の成分に表示が分けられています。
そして、化粧品では成分が配合量順に記載されていますが、医薬部外品ではこのルールが適用されません。
そのため、成分の配合量に関しては解析できませんが、できる限り成分の特徴を詳しくお伝えしたいと思います。
化粧品と医薬部外品の違いに関して詳しくは、
この「【元化粧品開発者が解説】化粧品と医薬部外品の違いとは?」も是非ご覧ください。
有効成分の4MSKの配合が嬉しい
やはり主役は4MSKです。
4-メトキシサリチル酸カリウム塩という名称で、資生堂が独自に開発した成分です。
メラニンを生成する酵素の働きを阻害することでメラニンを減らし、肌を美白に導くメカニズムになっています。
また、ターンオーバーの促進効果もあり、メラニンの排出促進もしてくれます。
4MSKは高価格帯のアイテムに配合されることが多かったのですが、エリクシールのラインにも配合されています。
そして、重要なのがこの成分が医薬部外品の有効成分として配合されている点です。
医薬部外品の有効成分であるということは、4MSKがHAKUなどと同じくしっかりと効果が期待できる量を配合されていることになります。
HAKUと同じ成分がしっかり配合されているので、HAKUに近い美白効果が期待できます。
高価格帯のアイテムに配合される4MSKが有効成分として配合されているので、美白効果が期待できる。
いろいろなオイル成分を配合し保湿力を高めている
ブライトニング エマルジョン WTには様々なオイル成分が配合されています。
以下が配合されているオイル成分です。
- α-オレフィンオリゴマー
- 2-エチルヘキサン酸セチル
- デカメチルテトラシロキサン
- メチルポリシロキサン
- ワセリン
- ベヘニルアルコール
- ステアリン酸
- イソステアリン酸
- ベヘニン酸
- N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2-オクチルドデシル)
結構いろいろ配合されていますが、基本的には炭化水素系のα-オレフィンオリゴマーやワセリンでエモリエント効果を発揮させています。
そして、デカメチルテトラシロキサンやメチルポリシロキサンのシリコーン系オイルで使用感を整えている感じですね。
ベヘニルアルコール、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸といった高級アルコールや高級脂肪酸は乳液の粘度や乳化の調整に使われます。
少し変わったところで、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2-オクチルドデシル)というアミノ酸系のオイルが使われています。
このオイルは水を抱え込む性質、抱水性があり、保湿力が高い特徴があります。
また、肌の成分にも存在するステロール骨格を有しており、肌なじみが良い性質もあります。
また、セラミドに似た構造をしているため、セラミドのように肌のバリア機能を高める働きが期待されます。
そのため、この特殊なオイルがブライトニング エマルジョン WTのスキンケア効果の底上げをしてくれていると考えられます。
基本的な炭化水素系のオイルでエモリエント効果を発揮し、アミノ酸系の特殊なオイルがさらに保湿力を高めている。
糖アルコール系の保湿剤を配合
ブライトニング エマルジョン WTにはイノシット、マルチトール液の2つの糖アルコール成分が水溶性保湿剤として配合されています。
一般的には水溶性保湿剤にはグリセリンやBGといった多価アルコール系が用いられ、糖アルコールは少し珍しいです。
なぜなら、糖アルコール系の保湿剤は保湿力が高いですが、その反面べたつきやすい特徴があるためです。
他の成分との絶妙なバランスで、高い保湿力と心地よい使用感の両立をしていると思われます。
また、イノシットは資生堂の研究によって、真皮幹細胞に必要な成長因子の発現を高める効果が見出されています。
イノシットは資生堂のこだわり成分の一つになっているようです。
資生堂のニュースリリースに詳細な内容が記載されていますので、ご興味があればこちらもご覧ください。
水溶性保湿剤に糖アルコール系が使われ、保湿力にこだわって作られていると考えられる。
使用感違いは増粘剤で調節している
先ほどお伝えした通り、ブライトニング エマルジョン WTにはⅠ~Ⅲの3種類の使用感違いがあります。
保湿力に違いはない、とのことなのでこの使用感の違いは、増粘剤によって調節されていると思われます。
化粧品に粘度を与える成分。とろみを与えたり、ゲル化させたり、多くの化粧品に配合されている。
ブライトニング エマルジョン WTには、以下の2種類の増粘剤が配合されています。
- カルボキシビニルポリマー
- キサンタンガム
増粘剤の配合量によって、乳液のとろみやなじむ早さが変わってきます。
この使用感の違いによって、さっぱりからしっとりまで感触のバリエーションを出していると思います。
これらの割合が多少変わっても保湿力には影響がないので、使用感の好みで選べば問題ないと思います。
成分解析まとめ
ブライトニング エマルジョン WTの成分解析をした結果、以下の結論となりました。
ブライトニング エマルジョン WTの主役は、美白成分4MSKです。
そして、資生堂独自の4MSKとともに、保湿にもこだわりがあると思います。
アミノ酸系オイルによるエモリエント効果や、糖アルコール系の保湿剤によるみずみずしい保湿効果がこの乳液の保湿効果を高めていると思います。
美白と保湿を高いレベルで仕上げている乳液になっているのではないでしょうか。
同ラインのローションと成分を比較してみると、同じ成分が結構配合されています。
訴求成分だけでなく、骨格を形成する基本的な成分にも同じような成分がみられます。
ラインの中でしっかりとコンセプトが統一されているのが分かります。
ラインで揃えて使うと、美白+保湿をより効果的にケアできると思います。
エリクシールの化粧水に関しては、
この「【元化粧品開発者の成分解析&使用レビュー】エリクシール ブライトニング ローション WT」も是非ご覧ください。
ブライトニング エマルジョン WTの使用感レビュー
では、実際の使用感はどうでしょうか。
使ってみたレビューをまとめます。
今回はサンプルですが、手の甲で使用感を見てみます。
使用したのはブライトニング エマルジョン WT Ⅱで中間の使用感のものです。
粘度は乳液の中では高めの部類かと思います。
ぽてっとしていて、出したときにたれ落ちる感じはありません。
塗り伸ばしていくと、するっと崩れながら適度な粘度と厚みを保ちつつ広がっていきます。
塗り広げやすい適度な粘性です。
なじみは早すぎず、遅すぎずという感じです。
この辺りはⅠ~Ⅲの3種類の使用感で変わってくると思います。
香りは美白ラインっぽいフレッシュフローラルな香調で、好き嫌いはあまり出ないと思います。
個人的にもとても好き、というわけではないですが違和感なく使えるという印象です。
なじんでくると、厚い保湿膜が現れ始めます。
この保湿の膜感にブライトニング エマルジョンの特徴が感じられます。
非常に保湿感の高い膜で、しっとりとした感触に肌が包まれます。
この膜感に厚みがあり、非常に心地よいです。
保湿力は高いのにべたつく感触はしっかりと抑えられています。
強力な保湿の膜で、肌が守られている安心感がすごいです。
顔で使ってみると、より強くこの保湿膜の感触が感じられます。
そしてふっくらと、ハリのある肌に仕上げてくれます。
成分解析でもピックアップしたワセリンやアミノ酸系のオイルと、水溶性保湿剤がバランス良く効いている感じがします。
以上の点から、ブライトニング エマルジョンの使用感は、総じて仕上がりの満足感が非常に高いと思いました。
この仕上がりの良さ、満足度の高さが、人気の理由のひとつではないでしょうか。
乳液後のクリームが無くてもいいと思わせるくらい、しっかりと保湿してくれます。
使っていて心地よく、スキンケアを楽しくしてくれます。
・独特の保湿膜が強く感じられ、スキンケアの満足感が高い。
総合評価
ブライトニング エマルジョン WTの成分解析と使用レビューをしてみました。
配合成分は資生堂独自の美白成分4MSKと、アミノ酸系オイル、糖アルコール系の水溶性保湿剤の配合が特徴的でした。
この特徴から、しっかりと保湿しながら、美白もできる設計になっていると考えられました。
そして高価格帯に使われている4MSKを、お手頃価格で使えるのがありがたいです。
実際の使用感では、独特な保湿の膜感による仕上がりの良さが際立ちました。
肌のふっくら感や適度なハリ感も心地よいです。
スキンケア後の満足感が高い乳液でした。
唯一難点を挙げるとすれば、使うときに容器を振って出さなければいけないので、使いづらい点です。
ドバっと出たり、あまり出てこなかったりと、毎回同じ量を出すのが困難です。
使いこなすのに少し慣れが必要になりそうです。
ただ総合的に評価すると、保湿と美白を高いレベルで両立している乳液で、これが4,000円台ならば、コスパは十分に高いと言えます。
ブライトニング エマルジョン WTはこんな人におすすめ
ブライトニングエマルジョンの総合評価から、以下の方におすすめしたいと思いました。
・コスパにこだわりながら、美白効果もしっかり欲しい方。
・膜感で守られているテクスチャーが好みの方。
美白効果の高い成分を配合しつつコスパが良いので、多くの方におすすめできるアイテムです。
使用後には膜感で守られている感触がしっかりあるので、ケアの満足感を重視する方にもピッタリだと思いました。
美白乳液で悩んでいたら、とりあえずこちらを試してみて欲しいです。
紫外線は4月から9月くらいまで高い状態が続くので、ほぼ半年くらいは紫外線のリスクが高いです。
ぜひこの4-9月の期間で継続的に使っていただきたいと思います。
そのほかのスキンケアアイテムもレビューしています。
この「【元化粧品開発者視点】いろんなプチプラ基礎化粧品を解析、レビューしてみた」も是非ご覧ください。