今回はイハダのスリーピングマスクの成分解析と使用レビューをします。
それが、こちらのイハダ 薬用ナイトパックです。
今回はこちらのナイトパックの実力を見てみたいと思います。
この記事でイハダ 薬用ナイトパックの特徴が良く分かると思います。
最後までご覧ください。
イハダ 薬用ナイトパックの基本情報
イハダ 薬用ナイトパックの特徴などを簡単にまとめてお伝えします。
まず、ナイトパックということで、夜寝ながらパックするという商品設計になっています。
使い方は以下の通りで、乳液の後に使います。
- 小さなアーモンド粒大を目安に、顔の5か所(両頬、額、鼻、あご)に乗せる。
- なじませきらない様に顔全体にのばし、パックする。
- パックしたまま寝る。
なじませきらない状態で、パックしておくのが他のケアとの大きな違いです。
配合成分は肌あれと乾燥予防にフォーカスし、以下のものを訴求成分としています。
- 高精製ワセリン
- 2つの有効成分
- Wヒアルロン酸
- ナイトバリアコンプレックス
これらの成分が”トラブルリスク肌“という乾燥や肌あれしやすい状態の肌をケアしてくれます。
非常に人気のある商品で、アットコスメの2023年ベストコスメアワードも獲得しています。
70gで1,980円と手ごろな価格設定も、人気の理由のひとつだと思います。
イハダ 薬用ナイトパックの成分解析
では、イハダ 薬用ナイトパックの成分解析をしていきます。
以下が、全成分表示です。
トラネキサム酸*,グリチルリチン酸ジカリウム*,アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム,ヒアルロン酸ナトリウム(2),D-グルタミン酸,アシタバエキス,精製水,1,3-ブチレングリコール,濃グリセリン,ジプロピレングリコール,2-エチルヘキサン酸セチル,ジグリセリン,無水ケイ酸,ベヘニルアルコール,α-オレフィンオリゴマー,硬化油,テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット,エリスリトール,ポリオキシエチレンベヘニルエーテル,メチルポリシロキサン,ワセリン,カルナウバロウ,バチルアルコール,ポリエチレングリコール1500,架橋型N,N-ジメチルアクリルアミド-2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム共重合体,トリメチルシロキシケイ酸,重質流動イソパラフィン,クエン酸ナトリウム,ポリオキシエチレン(14)ポリオキシプロピレン(7)ジメチルエーテル,メタリン酸ナトリウム,サクシノグルカン,クエン酸,ピロ亜硫酸ナトリウム,フェノキシエタノール *は「有効成分」無表示は「その他の成分」
こちらの情報を基に、特徴的な成分などをピックアップします。
イハダ 薬用ナイトパックは医薬部外品のため、成分表示が“有効成分”と“その他の成分”に分かれて記載されます。
また、化粧品と異なり成分濃度順に記載されないため、少し解析が難しいですが、できるだけ処方の特徴をお伝えしたいと思います。
化粧品と医薬部外品でかなり成分表示のルールが異なるので、気になる方は成分表示についてまとめた以下の記事もご覧ください。
化粧品の全成分表示に関して詳しくは、
この「【元化粧品開発者が解説】化粧品パッケージの成分表示の見方とは?」も是非ご覧ください。
肌荒れケアに有効な成分を2つ配合
薬用ナイトパックには肌荒れを抑制する有効成分が配合されています。
それがトラネキサム酸とグリチルリチン酸ジカリウムです。
どちらも抗炎症作用が認められており、医薬品にも用いられる成分です。
トラネキサム酸は肌荒れ防止効果以外に、美白の有効成分としてもよく使われます。
この二つの成分は”有効成分”として配合されているので、その他の成分と異なり、十分に効果が期待できる配合量になっています。
医薬部外品の有効成分は効果をちゃんと表記できるので、その分ルールも厳しくなっています。
そのため、薬用ナイトパック自体にも十分な肌荒れ防止効果があると言えます。
二つの”有効成分”が配合されているので、高い肌荒れケア効果が期待できる。
バランスよくオイルを配合し、寝ている間のうるおいを逃さない
うるおいを逃さない効果を持つオイルは、様々な種類のものが配合されています。
以下が薬用ナイトパックに配合されているオイルです。
- 2-エチルヘキサン酸セチル
- ベヘニルアルコール
- α-オレフィンオリゴマー
- 硬化油
- テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット
- ワセリン
- カルナウバロウ
- 重質流動イソパラフィン
さらっとした液状のオイルから、ねちっこいペースト状のオイル、カチッとした固形のオイルまで様々な性状のオイルが配合されていました。
軽いオイルから癖のあるオイルまでバランスよく配合されていると思います。
これらの様々なオイルが適度なバランスで配合されることで、きれいな油膜が形成されて肌から水分が蒸発するのを防ぎます。
そのため、これらのオイルのおかげで寝ている間の乾燥を防いで、朝起きた時の肌のうるおい実感に繋がります。
寝ている間の乾燥を防ぐのは、ナイトパックにとって大切な機能です。
ただ、IHADAでは高精製ワセリンの配合をひとつのウリとしていますが、これだけ複数のオイルが配合されていると、ワセリン自体の配合量はそこまで多くないと思われます。
複数のオイルを配合することは普通ですが、高精製のワセリンに魅力を感じている方にとっては少し残念かもしれません。
そのため、高精製ワセリン自体にはあまり期待しすぎない方が良さそうです。
バランス良いオイルの配合で、寝ている間の乾燥をしっかりと防いでくれる。
うるおいを与える効果も十分ある
パックをした時のうるおいを与える効果も十分あります。
うるおいを与える効果は、水溶性の保湿剤が発揮します。
薬用ナイトパックでは、以下の成分たちが水溶性の保湿剤に該当します。
- 1,3-ブチレングリコール
- 濃グリセリン
- ジプロピレングリコール
- ジグリセリン
- エリスリトール
- ポリエチレングリコール1500
- ポリオキシエチレン(14)ポリオキシプロピレン(7)ジメチルエーテル
よく使われる保湿剤が並んでいますが、その種類が結構豊富です。
保湿剤だけで7種類配合されていて、これは結構多い方だと思います。
構成としてはベーシックな保湿剤に濃厚な保湿剤をプラスして、高いうるおい効果を出している印象です。
1,3-ブチレングリコール、濃グリセリン、ジプロピレングリコールはとてもベーシックな保湿剤です。
スキンケア化粧品にはどれか一つは必ず配合されていると言ってもいいほどです。
これらの保湿剤だけでも十分うるおいを与える効果はあります。
そして、ジグリセリンやポリエチレングリコール1500は濃厚な保湿剤で、パックなどの高い保湿効果が求められる製剤にはピッタリな成分です。
この濃厚な保湿剤がリッチなうるおい感を出してくれます。
さらに、ポリオキシエチレン(14)ポリオキシプロピレン(7)ジメチルエーテルという少し特殊な保湿剤も配合されています。
資生堂では、アクアインプールという名前で様々な化粧品に配合しています。
アクアインプールは水と油の間の性質を持ち、化粧品成分の肌なじみを向上させます。
ざっくり言えば、うるおい成分の角層への浸透を高めてくれます。
このように、ベーシックな保湿剤だけでなく、濃厚な保湿剤や肌なじみを向上させる特殊な保湿剤を配合し、うるおいを与える効果をしっかり出しています。
豊富な保湿剤の配合で、うるおいを与える効果も高いと言える。
成分解析まとめ
イハダ 薬用ナイトパックの成分解析をした結果、以下の結論となりました。
就寝前にパックすることで、寝ている間にふたつの有効成分がしっかりと肌荒れケアをしてくれます。
さらに、多種多様なオイルと保湿剤がうるおいを”守る”と”与える”の役割を果たし、高いパック効果を発揮してくれます。
以上のことから、イハダ 薬用ナイトパックは“肌荒れケアと高い保湿ケアを両立したナイトパック”と結論付けました。
製品特徴に合致した処方設計がされていると思いました。
イハダ 薬用ナイトパックの使用感レビュー
では、実際の使用感はどうでしょうか。
使ってみたレビューをまとめます。
まずは手の甲で塗ってみます。
柔らかいクリームで、軽い力でスッと伸びていきます。
全体に塗り広げてみました。
通常のクリームよりも多めに塗布したので、少しべたっとした感じで残っています。
使い方としては、ここでなじませ切らずにこの状態で放置します。
この時点ではべたつく感触があるので、このまま放置するのは慣れないと気になります。
放置直後はべたっとしていましたが、少し放置するとその感触は収まってきます。
そして、少し厚みのあるサラッとした油膜の様な感触が残ります。
ワセリンだけではこの上品な感触は出せないため、先ほどお伝えした様々なオイルを配合していると思います。
この油膜感が寝ている間の乾燥から、肌のうるおいを守ってくれるんですね。
次に、就寝前に顔で使ってみました。
手の甲の時と同じように、なじませ切らない状態でケアを終わらせ、そのまま就寝しました。
なじませきらずに使うので、寝具へ付いてしまわないか心配しました。
ですが、少し放っておくと自然と良い感じになじむので、寝具への影響はなさそうです。
翌朝になると、油膜感もほとんどなくなり、しっとりとした感触だけが程よく感じられる仕上がりになりました。
特に頬のあたりはしっとり、ふわっと柔らかな感触になり、朝一から気分が良いです。
豊富な保湿剤が、しっかりと働いてくれているようです。
仕上がりの効果実感が高く、ナイトパックとして十分に活躍してくれているので、ちゃんとおすすめできるアイテムだと思いました。
ただ、使っている時に気になったこともありました。
それは使う量です。
使う量が多いと、かなり顔全体がべたっとした感触が残り、なじみ切らずに寝具にもついてしまう恐れがあります。
逆に使う量が少なければ、当然パックの効果は半減してしまいます。
このちょうどいいバランスを見つけるのが最初は難しいなと感じました。
使う量で効果にかなり差がでるアイテムなので、自分に最適な量を見極める必要があります。
・最初はべたつくが、少し経つと自然となじむ不思議な使用感。
・パック効果は十分感じられ、翌朝の肌のしっとり感は心地よい。
・使う量が効果に影響するので、自分で適量を見つける必要がある。
総合評価
イハダ 薬用ナイトパックの成分解析と使用レビューをしてみました。
・トラネキサム酸とグリチルリチン酸ジカリウムの有効成分が、高い肌荒れケア効果を発揮。
・オイルと保湿剤の種類が多く、保湿とテクスチャーの両立が図られている。
・寝ている間のパックによって翌朝の肌は、しっとり柔らかに仕上がり、効果実感が高い。
肌荒れケアの2つの有効成分と、多様なオイルや保湿剤が高いパック効果を発揮してくれます。
実際に使ってみると、翌朝には明らかに肌のしっとり感が増すので、効果実感の高さも十分ありました。
・高精製ワセリンの配合量はそこまで多くないかもしれない。
・使う量によって効果が変わってくるので、使い始めは戸惑いそう。
気になる点としては、2つ挙げられます。
1つは、イハダのウリとしている高精製ワセリンの配合量です。
実際には、様々なオイル成分が配合されているため、ワセリン自体の配合量はそこまで多くないと思われます。
高精製ワセリンに魅力を感じる方は、過度な期待は禁物です。
もう1つは、使う量です。
適量のバランスを見極めるのが少し難しいなと思いました。
最初は戸惑いますが、使っていくうちに適量が見つかってくると思います。
まとめとしては、
寝ている間の乾燥を防いで、翌朝にちゃんとうるおった肌にしてくれる優秀なナイトパック
になっていると結論付けました。
乾燥をしっかり防ぎ、うるおわせてくれるので、乾燥肌の方にピッタリですね。
妻は翌朝の肌状態が良くなって、メイクのりが良くなったことを喜んでいました。
肌の乾燥が気になる方は、ぜひ一度試してみてください。
翌朝の肌状態の違いを実感してほしいです。
そのほかのスキンケアアイテムもレビューしています。
この「【元化粧品開発者視点】いろんなプチプラ基礎化粧品を解析、レビューしてみた」も是非ご覧ください。