今回はONE BY KOSEのちょっと変わった美容液で成分解析と使用レビューをします。
それが、こちらのONE BY KOSE セラム シールドです。
ぱっと見クリームですが、こう見えて分類は美容液になっています。
今回はこちらの実力を調べてみました。
購入を考えている方は、この記事を参考にしていただけると幸いです。
最後までご覧ください。
ONE BY KOSE セラム シールドの特徴
まずは、簡単にONE BY KOSE セラム シールドの基本情報や特徴をお伝えします。
基本情報
ONE BY KOSE セラム シールドは2023年8月21日に発売されました。
価格は40gで5,500円となっています。
ただ、2023年8月21日から同時にミニサイズも数量限定で発売されています。
ミニサイズは約7日分の6gで880円となっています。
ミニサイズだけの発売だけでなく、ONE BY KOSE セラム ヴェールとセットになったものもあります。
とりあえず試してみたい人にとって嬉しいミニサイズです。
私も今回はミニサイズで使用感レビューしています。
バーム状美容液
ONE BY KOSE セラム シールドはちょっと変わったアイテムです。
外観はクリームにも見えますが、バームの分類になっています。
バームというのは、一般的にオイル成分が大半を占めている軟膏のことを言います。
こちらのアイテムは美容液のポジションなので、バームなの?液なの?という感じの非常に変わった商品設計になっています。
バームだけど高保水
一般的なバームはほとんどオイルで作られていますが、このセラム シールドはたっぷりの水を閉じ込めた剤型になっています。
コーセー独自の「美容水あふれる高保水密封バーム」と名付けられています。
バームなのに水が多いんですね。
どんな使用感になっているのかとても気になります。
実は医薬部外品
ONE BY KOSE セラム シールドは実は医薬部外品です。
一般的な医薬部外品ですと、名前の中に「薬用」という単語がよく入っているので、見分けやすいです。
医薬部外品は名前に「薬用」を付けてもいいというルールがあります。
ただ今回のセラム シールドには「薬用」が付いていないため、私も最初は化粧品かと勘違いしていました。
これはコーセーのマーケティングの方針で、あまり薬用感を出したくない、みたいな意図があるのかもしれません。
有効成分はライスパワーNo.11+
ONE BY KOSE セラム シールドの有効成分はライスパワーNo.11+です。
ライスパワーNo.11+は日本で初めてうるおい改善効果とシワ改善効果というダブルの効果が認められた成分です。
このライスパワーが非常に面白い成分です。
成分解析でもう少し詳しくご説明します。
ONE BY KOSE セラム シールドの成分解析
では、ONE BY KOSE セラム シールドの成分解析をしていきます。
以下が、全成分表示です。
〈有効成分〉ライスパワーNo.11+、〈その他の成分〉 精製水、濃グリセリン、1,3-ブチレングリコール、メチルポリシロキサン、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、高融点パラフィン(2)、PEG-9 ポリジメチルシロキシエチル ジメチコン、d-δ-トコフェロール、アボカド油、ホホバ油、海藻エキス(1)、エデト酸二ナトリウム、カルナウバロウ、コメヌカロウ、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、シロキクラゲ多糖体、スクワラン、塩化ナトリウム、高融点マイクロクリスタリンワックス、フェノキシエタノール、メチルパラベン、香料、カラメル
こちらの成分情報を基に、特徴的な成分などをピックアップしていきたいと思います。
ライスパワーNo.11+がすごい
セラムシールドの主役は有効成分のライスパワーNo.11+です。
ライスパワーは「勇心酒造」という酒屋が開発した成分で、名前の通り米から発酵技術によってエキス化されています。
このライスパワーのすごいところは、「皮膚水分保持能の改善」という効果を有する点です。
科学的エビデンスを積み重ね、ライスパワーが初めてこの水分保持改善効果を国に認めさせたのです。
さらにこのセラムシールドに配合されているライスパワーNo.11+は、皮膚水分保持能の改善だけでなく、シワ改善効果も認められています。
「乾燥とシワ」という超メジャーな肌悩みに、1つの成分で対応している日本初の成分です。
そして、このライスパワーNo.11+は医薬部外品の有効成分のため、皮膚水分保持能の改善とシワ改善の効果が認められた量が配合されています。
化粧品の成分によっては、本当にちょろっとだけ配合されることもありますが、このライスパワーはしっかり配合されていると断言できます。
そのため、セラム シールドは肌への効果を期待して使うことができます。
ライスパワーNo.11+が乾燥とシワを改善し、セラムシールドにはその効果が認められた量が配合されている。
バームなのでオイルがメイン
バーム状の剤型なので、やはりオイル成分が多いです。
- メチルポリシロキサン
- トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル
- 高融点パラフィン(2)
- アボカド油
- ホホバ油
- カルナウバロウ
- コメヌカロウ
- スクワラン
- 高融点マイクロクリスタリンワックス
その中でも常温で固形のオイルが多く見られます。
高融点パラフィン(2)、カルナウバロウ、コメヌカロウ、高融点マイクロクリスタリンワックスです。
これらの固形オイルがバームの硬さを出しています。
そして、固形オイルが多いと油膜感もしっかりと出て、エモリエント効果が期待できます。
バームという剤型を保っているメイン成分が固形オイルです。
そしてバーム特有のエモリエント効果も固形オイルがかなり効いています。
硬いオイルがバームのメイン成分で、しっかりとした油膜感と高いエモリエント効果が期待される。
バームなのに水溶性成分が多い
セラムシールドはバーム剤型ですが、肌にうるおいを与える水溶性の保湿剤も結構配合されているようです。
- 濃グリセリン
- 1,3-ブチレングリコール
- シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール
- シロキクラゲ多糖体
濃グリセリンや1,3-ブチレングリコールは非常にメジャーな保湿剤で、肌にうるおいを与えます。
シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールは水溶性オイルと呼ばれる少し特殊な成分です。
美容成分の浸透性を向上させる作用があり、最近よく見かけるようになってきた気がします。
シロキクラゲ多糖体はシロキクラゲというキノコから抽出される成分で、ヒアルロン酸等と似た構造をしています。
肌に塗ると最初はヌルっとしますが、馴染んでくるとしっとりしつつもすべすべの感触にしてくれます。
これらの様々な水溶性成分が肌にみずみずしい潤いを与えてくれます。
通常のバームはほとんどがオイルで構成され、肌を守る役割りがメインですが、そこにみずみずしさがプラスされ潤いも与える高機能バームになっています。
水分が多そうなので、不思議な感触になりそうです。
この使用感はしっかりとレビューでお伝えします。
いろいろなタイプの保湿剤が配合されていて、バームなのにうるおいもしっかり期待できる。
成分解析まとめ
セラムシールドの成分解析をした結果、以下の結論となりました。
ライスパワーNo.11+が肌の細胞に働きかけ、肌の内側からうるおいとシワの根本からアプローチします。
その一方で、硬いオイルと水溶性の保湿剤が、うるおいの「与える」と「守る」を両立して、外側からのケアもしっかりとしてくれます。
ライスパワーNo.11+に隠れがちですが、その他の成分もしっかりと考えられた組み合わせだと思いました。
ONE BY KOSE セラム シールドの使用感レビュー
では、実際の使用感はどんな感じか見てみます。
お試しとして今回はミニサイズでレビューしています。
塗り始めはバームらしいペースト状のオイルをそのまま伸ばしているような感触です。
香りは少し甘めのフローラルな感じで、ほのかに香る適度な強さで好印象です。
ある程度伸ばしていくと、途中で「ぐじゅっ」と崩れる感触が現れます。
バームからうるおい成分が出てくるのが明確に分かります。
ここのテクスチャーの変化が非常に特徴的です。
崩れた後は手応えが一気に軽くなり、感触はうるおいを馴染ませている感じにシフトしていきます。
肌への馴染みが進むと、みずみずしいしっとり感がありつつも、適度なオイルの膜感にも包まれます。
感覚的にみずみずしいしっとりとオイルの膜感が7:3くらいの比率です。
予想以上にみずみずしいしっとり感がちゃんと感じられました。
馴染み後もしっとりとした膜感は持続しています。
この仕上がりの膜感が独特です。
バームっぽい硬いオイルの油膜感を感じながら、保湿剤のしっとり感も合わさった不思議な感触です。
名前前の通り、シールドのようにしっかりと守ってくれながらも、うるおいもちゃんと与えられているのが分かります。
硬いオイルと水溶性の保湿剤が非常に良いバランスで組み合わせられていると思いました。
最初はちょっと奇をてらっただけのアイテムに思えましたが、しっかりと使用後の満足感が高いアイテムになっていました。
・途中でみずみずしいうるおいが溢れ出てくる。
・仕上がりはシールドの様な膜感と高いうるおい感で、使用後の満足度が高い。
総合評価
ONE BY KOSE セラム シールドの成分解析と使用レビューをしてみました。
・うるおいとシワの根本に働きかけるライスパワーNo.11が配合。
・水を抱えたバームの不思議な使用感。
・オイルと保湿剤の膜感による守られている感じ。
肌のうるおいとシワの改善、日本初のW効果を持ったライスパワーNo.11+が肌の内側から根本ケアをしつつ、うるおいをたっぷり抱え込んだバーム剤型が外側からもしっかりとケアしてくれるアイテムでした。
独特な使用感や、膜感による守られている感じも非常に心地よいものでした。
・人によっては保湿力が物足りない。
保湿力は適度にありますが、乾燥肌の方や冬場などでは物足りないと感じてしまうかもしれません。
肌状態の応じてクリームを足してもいいと思います。
以上の結果から、次の人におすすめしたいと思いました。
クリームよりもオイリーな感触が抑えられているので、クリームだとべたつきが気になる方が、クリームの代わりにスキンケアの最後に使うのがおすすめです。
また、有効成分や使用感が保湿力を高めてくれるので、保湿力を底上げする目的で、今のケアに美容液の様にプラスオンするのもおすすめです。
使ってみると想像以上に完成度の高いバーム状の美容液でしたので、ぜひ一度この感触を体験していただきたいです。
数量限定でミニサイズもあるので、そちらから試してみるのもいいですね。
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