スキンケアでは、クレンジング、洗顔、化粧水、美容液・・・・と多くのアイテムがありますね。
この中で、どれにお金をかけるべきか??
悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、優先してお金をかけるべきアイテムを元化粧品開発者視点でお伝えします。
ぜひ最後までご覧ください。
化粧品は高いほど効果が高いわけではない
まず、最初にお伝えしたいのは、高い化粧品ほど効果が高くなるというわけではない、ということです。
化粧品には成分原価以外にも、ブランド価値やプロモーション費用など様々なものが価格に含まれています。
もちろん高機能な成分を高濃度で配合すれば、原価も高くなります。
ですが、濃度に関しては企業秘密となるので、実際のところは不明です。
効果が高そうな成分が配合されていると言いながら、実は非常に微量の配合になっていることも珍しくありません。
ほんの少しでも配合していれば、その成分は配合していると堂々と言えてしまうルールになっています。
化粧品の価格に関して詳しくは、
この「【元化粧品開発者が解説】高い化粧品と安い化粧品の違いとは?」も是非ご覧ください。
そのため、高い化粧品だからといって、単純に肌への効果が高くなるとは言えません。
それでも素晴らしい効果のある高い化粧品も実際にあります。
ですので、この前提を理解した上で、賢くお金をかけていただきたいと思っています。
お金をかける順番で優先すべきはリーブオン製品
では、実際にお金をかけるとしてら、どのアイテムにすべきでしょうか。
元化粧品開発者の私の意見としては、リーブオン製品にお金をかけるべきだと考えています。
リーブオン製品は化粧水やクリームなどつけっぱなしにするアイテム
リンスオフ製品はクレンジング、ウォッシングなど洗い流すアイテム
なぜリーブオン製品にお金をかけるべきかというと、
リーブオン製品の方が配合成分の肌への作用が大きいと考えるからです。
リンスオフ製品は、洗い流してしまうので美容成分はほとんど肌に作用しないと思われます。
付けっぱなしにするアイテムの方が、肌に成分がずっと乗っているので影響が大きい、という理屈ですね。
他の記事などで、
「クレンジングやウォッシングは肌に負担がかかるので、お金をかけて肌に優しいものにこだわるべき」
という意見もみられます。
実際、洗浄力が強すぎるなど、肌への刺激が強いアイテムもあります。
ですが、刺激の強い成分を避けてアイテムを選ぶ等、少し工夫するだけでリンスオフ製品の肌へのリスクは下げられます。
そこまでお金をかけなくても、肌に優しいリンスオフ製品はたくさんあります。
そのため、リンスオフ製品にはそこまでお金をかける必要はないと私は考えています。
一方でリーブオン製品は、肌に成分がずっと塗られた状態になるので、配合成分自体の性能が重要になってきます。
そのため、まずお金をかけるべきはリーブオン製品だと考えるのです。
まずは塗りっぱなしにするリーブオン製品にお金をかけるべき。
お金をかける順番は”美容液”と”乳液またはクリーム”
お金をかけるのはリーブオン製品をおすすめしましたが、その中では何を優先すべきでしょうか。
私のおすすめは、美容液と乳液またはクリームです。
その理由をそれぞれお伝えします。
美容液にお金をかける理由
美容液は特に肌への効果に注力したアイテムが多いです。
化粧水や乳液、クリームは基本的に保湿効果がメインですが、美容液は様々な肌悩みに対しての効果が訴求されます。
肌荒れやアンチエイジング、毛穴やたるみなど色々な肌悩みにフォーカスされます。
様々な肌悩みに対してアプローチするため、一般的なスキンケアアイテムよりも美容成分が多く配合される傾向があります。
美容液は一般的なスキンケアにプラスする、スペシャルケアの位置づけになります。
しかし、化粧水からクリームまで使えばどんなアイテムでもある程度保湿効果は得られますが、美容液の場合は美容液の能力次第になってきます。
そしてこの美容液の能力のひとつが、配合される美容成分の濃度になります。
いくら良い美容成分が配合されていても、それがほんの少ししか配合されていなかったらその効果は限定的です。
ただ、多くの美容成分は一般的な保湿剤などと比べても、原価がかなり高い傾向にあります。
化粧水やクリームは原価が安い成分でもそれなりに保湿効果が出せますが、美容液は比較的高価な美容成分次第になります。
そのため、安価な美容液には美容成分を高濃度で配合することが難しいのです。
一方で、高価な美容液では当然、配合成分にかけられるコストに余裕があるので、美容成分の配合濃度を上げることができます。
その結果、高価な美容液の方が効果が高くなる傾向になるので、美容液には優先的にお金をかけるべきと考えます。
ほかのアイテムよりも美容成分の配合濃度が重要なので、美容液はお金をかけるべき。
乳液またはクリームにお金をかける理由
美容液以外には乳液やクリームにもお金を優先的にかけるべきと考えています。
なぜなら、乳液やクリームに配合されるオイル成分は肌に重要な働きをするからです。
基本的に乳液やクリームのオイルは肌の上に保護膜を作り、肌からの水分の蒸散を防ぐ働きをします。
しかし、オイルは種類によって、実はその効果や作用は大きく異なります。
例えば、安価なオイルの代表であるミネラルオイルは、肌の上に保護膜を作るだけです。
一方で、高価なオイルの代表と言えるセラミドは、肌の表層の角層に浸透し、角層の隙間を埋めてバリア機能を向上させます。
ただ保護膜を作るのではなく、肌自体を修復してくるようなイメージです。
このように高価なオイルには高機能なものが多く、乳液やクリームのエモリエント効果を高めるために配合されます。
他にもステロール誘導体も機能性オイルとしてよく使われます。
~~~フィトステリルといった名前で見つけられます。
当然ながら、このようなオイルはプチプラアイテムでは配合されにくく、高級ラインの乳液、クリームに配合されます。
そのため、高機能なオイルが配合される高価格帯の乳液やクリームは、より高い効果が期待できる訳です。
以上の理由から、乳液やクリームにはお金を優先的にかけるべきだと考えます。
高機能なオイルはスキンケアに非常に重要なので、オイルを含む乳液やクリームはお金を優先的にかけるべき。
お金をかけるべきアイテムの選び方
先ほどは美容液、乳液、クリームに優先的にお金をかけるべきとお伝えしました。
ただし、高価なアイテムのすべてで効果が高いわけではありません。
効果の高い美容成分やオイル成分が配合されていても、とても微量な配合であることもあり得ます。
利益優先でちょこっとしか配合しなくても、ルール違反とはなりませんので。
では、どのようにしてお金をかけるべきアイテムを選べばよいでしょうか。
大まかに以下の二つの方法が考えられます。
- 濃度を訴求しているアイテムを選ぶ
- 全成分表示を見て選ぶ
それぞれ細かくお伝えします。
濃度を訴求しているアイテムを選ぶ
1つ目は、美容成分などの濃度を訴求していて、明らかに高濃度に配合しているアイテムを選ぶ方法です。
この場合は、美容成分が明らかに高濃度に配合されていることになるので簡単に選べます。
例としては、ビタミンCの濃度をウリにしているオバジがあります。
名前についている数字がそのままビタミンCの濃度を示しています。
ただ、濃度を訴求しているアイテムは意外と少ないので、選択肢がそこまで多くないのがデメリットとして挙げられます。
全成分表示を見て選ぶ
あとは、全成分表示を見る方法もあります。
化粧品のパッケージには必ず配合成分が表示されています。
そして、この表示は配合量順に成分名を並べるルールになっています。
そのため、全成分表示を見ればある程度、配合量の多い成分が分かります。
気になる成分があれば、全成分表示のどのあたりに記載されているかを見てみてください。
例として、コスメデコルテのリポソーム アドバンスト リペアセラムを挙げてみます。
こちらはリポソームが高濃度で配合されていることをウリにしています。
全成分表示を見てみると、リポソームの材料である水添レシチンが4番目にあります。
かなり前方に水添レシチンがあるので、本当にリポソームが高濃度で配合されていることが分かります。
ただし、この方法もデメリットがあります。
それは、配合量の多い成分の判断が難しいことです。
実は、配合濃度1%以下の成分たちは、1%を超える成分の後に順不同で記載できるルールになっています。
①配合量の多い成分が配合量順に記載
②1%以下の成分が順不同で記載
この順番で成分が表示されています。
全成分表示に関して詳しくは、
この「【元化粧品開発者が解説】化粧品パッケージの成分表示の見方とは?」も是非ご覧ください。
ですので、少量しか配合していない高価な成分でも、結構前の方に記載できてしまいます。
このルールのため、効果の高い成分が本当に高濃度に配合されているかの判断が難しいのです。
正確に多い成分を判断するのは難しいので、まずは参考程度に見てみてください。
成分の濃度がはっきりと分かるものや、成分表示から配合量を予想して、お金をかけるべき化粧品を選ぶのがおススメ。
まとめ
今回は優先してお金をかけるべきスキンケア製品について、元化粧品開発者の視点でまとめてみました。
今回のまとめは以下の通りです。
価格と効果は必ずしも比例しないので、賢く化粧品を選ぶ必要があります。
良いアイテムを選んで、満足度の高いスキンケアをしていただきたいです。
化粧水のお金のかけ方についても別でまとめていますので、良ければご覧ください。
化粧水のお金のかけ方に関して詳しくは、
この「【元化粧品開発者が解説】化粧水は高い方がいい?賢い選び方をお伝えします。」も是非ご覧ください。
今回の記事が、皆さんの化粧品選びの参考になれば幸いです。