元化粧品開発者が成分解析とレビュー!ノーモアブラックヘッド

※記事内にPR、プロモーションが含まれています。

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この記事を書いた人

某化粧品メーカーの元化粧品開発者。
約8年間、基礎化粧品一筋の開発者として多数の化粧品の処方設計に従事。その後転職し、現在は肌に関する研究活動に注力。
化粧品開発者としての知識や経験を基にしたスキンケア情報や、ライフハック的な情報を随時発信。

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ノーモアブラックヘッド、名前がすごいですね。

毛穴に関する悩みは特に若い女性に多く、そこにドンピシャな製品のように感じます。

SNSで話題になったようですが、実際の効果やどんな成分が入っているか気になりますね。

そのような疑問を解決すべく、元化粧品開発者の私が、配合成分の解説や実際に使ってみた実感をまとめてみました。

こんな疑問を解決します!
  • ノーモアブラックヘッドの成分や効果は?
  • ノーモアブラックヘッドの使い方は?
  • 実際に使ってみた使用感や効果とは?
  • 実は、色々と調べてみると広告表示で、ん?と思う点も見られました。

    ノーモアブラックヘッドが気になる方にぜひ読んでいただきたいです。

    最後まで読んでいただければ、この商品のメリットやデメリットがしっかりと理解できるかと思います。

    ノーモアブラックヘッドは毛穴の黒ずみにフォーカス

    鼻の黒ずみ等が気になる方をターゲットとした毛穴ケア製品で、いわゆる韓国コスメです。

    化粧水の様な透明液状の剤型をしていて、コットンに染み込ませ、それを鼻などの毛穴の黒ずみが気になる部位にパックして使います。

    ウリとしては、多数の植物エキスを配合し、皮脂を刺激なく溶かすことで除去ができ、さらに毛穴を引き締めてくれるとのことです。

    kazunari
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    元化粧品開発者からすると、最初に見たときはちょっと怪しい商品だなと感じました。

    ノーモアブラックヘッドのちょっと気になる点

    商品説明をぱっとみるとすごく画期的な商品の様に感じられます。

    ただ、じっくりと読んでみると気になる点があったので、まとめてみました。

    販売サイトによっては角栓すべてを除去できそうな表記がある

    みなさんは皮脂と角栓の違いはわかりますか?

    同じようなものに思えて結構違います。

    簡単にまとめると皮脂は皮脂腺から分泌される油で、角栓はその皮脂とタンパク質(ケラチン)の混ざりものです。

    もう少し詳しく知りたい方は、IPSAのホームページでわかりやすく図解されていますのでご参照ください。

    そして、ノーモアブラックヘッドは様々な販売サイトで売られており、その販売サイトによっては結構この皮脂と角栓がごっちゃになっていたりします。

    後で詳しく説明しますが、皮脂は除去できても角栓すべての除去となると少し難しくなります。

    この商品は一応皮脂除去剤として販売されています。

    しかし、商品説明を見ていると、基本的には皮脂除去について説明をしているのですが、販売サイトによっては角栓をケアします角栓や皮脂を溶かしますなどと皮脂だけでなく角栓自体にも働きかけるような説明になっています。

    例えば下の説明図は楽天市場から引用したものですが、一応老廃物と皮脂という表記をし、角栓とは言っていません。

    楽天市場ノーモアブラックヘッド

    引用元:楽天市場

    一方で、下図はAmazonから引用したものですが、こちらはばっちり角栓と表記されています。

    同じ図を使っているのに微妙に説明文が異なります。

    amazonノーモアブラックヘッド

    引用元:Amazon

    この説明では皮脂と角栓を同じようなものとして扱ってる感じがしますね。

    確かに皮脂も角栓の一部ですが、ちょっと言いすぎてるかなと感じてしまいます。

    皮脂は取れるが、角栓全部はきびしそう

    毛穴ケア製品と謳っており、全成分表示からすると、おそらくこの配合成分では角栓を構成している皮脂は溶かすことができますが、角栓のタンパク質まで溶かすのはきびしいと思います。

    以下、ノーモアブラックヘッドの全成分です。

    精製水、ハマメリス水、ブチレングリコール、セージ葉エキス、メリッサ葉エキス、アルクチウムマジュス根エキス、セイヨウハッカ葉エキス、セイヨウネズ果実エキス,セイヨウヤドリギエキス,サボンソウ根エキス,セイヨウオトギリソウエキス,1,2-ヘキサンジオール,カプリリルグリコール,ユーカリ葉油,ワサビダイコン根エキス,マドンナリリー花エキス,ラベンダー花エキス,リンゴ果実エキス,コメ発酵液,酵母エキス,コメヌカエキス,ツボクサエキス,イタドリ根エキス,オウゴン根エキス,チャ葉エキス,カンゾウ根エキス,カミツレ花エキス,ローズマリー葉エキス,乳酸桿菌/ダイズ発酵エキス,セイヨウシロヤナギ樹皮エキス,カシア樹皮エキス,ハナハッカ葉エキス,ヒノキ葉エキス,スベリヒユエキス,ダイウイキョウ果実エキス,ラウロイルグルタミン酸Na,ラウリン酸ポリグリセリル-10,ミリスチン酸ポリグリセリル-10,EDTA-2Na

    かなり多数のエキスが入っていますね。

    ただこれらのエキスが直接皮脂や角栓にアプローチすることはほぼありません。

    この商品でのエキスの主な働きは毛穴を引き締める収れん効果や、抗炎症効果ではないかと思われます。

    おそらく効いているのは、全成分の最後の方にある、ラウロイルグルタミン酸Na,ラウリン酸ポリグリセリル-10,ミリスチン酸ポリグリセリル-10の界面活性剤たちです。

    界面活性剤は油性成分に吸着し、溶解させる作用があるため、これらが皮脂を溶解、除去してくれる役割を担っています。

    ですので、毛穴の中の酸化して黒ずんだ皮脂や、角栓中の皮脂にはちゃんとアプローチしてくれます。

    化粧品に含まれる界面活性剤に関して詳しくは、
    この「【元化粧品開発者視点】界面活性剤とは何か?その機能と肌への影響について」も是非ご覧ください。

    ただ、角栓全部に作用してくれるかというとそれはちょっと厳しいと思います。

    皮脂は皮脂腺から分泌される人のアブラですが、角栓は皮膚のタンパク質と皮脂が混ざり合ったものです。

    タンパク質は非常に溶けにくく、配合されている界面活性剤でも簡単には溶解させることができません。

    ですので、消費者が期待するような、「角栓全部を根こそぎ溶かして、除去する!!」というのは起こらないと思います。

    kazunari
    kazunari

    この程度の成分でタンパク質を溶かしてしまうのであれば、元々ある皮膚のタンパク質も溶かしてしまい、それこそ大問題となってしまうでしょう。

    ただ、角栓除去も期待できなくはないです。

    なぜかというと、界面活性剤が角栓中の皮脂を溶かすことで、角栓の構造が弱くなったり、角栓自体が細かく崩れたりすることがあるからです。

    他の角栓除去剤も基本的には同様のメカニズムです。

    理解していただきたいのは、ノーモアブラックヘッドに限らず、角栓ケア商品角栓全部を溶かしきってすっきりさせるというのはかなり難しいということです。

    kazunari
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    この点は、消費者とメーカーでの考えのギャップが大きいと感じています。

    ノーモアブラックヘッドは危ない?

    角栓悩み

    一部ではノーモアブラックヘッドは危ない、という声もあるようです。

    中には、使ったらビニール肌になった、という口コミも見られます。

    この意見に対しては、

    memo

    全成分表示からは、そこまで肌リスクが高いとは思わない。

    と考えています。

    理由としては、以下の点が挙げられます。

    1. マイルドな界面活性剤が使われている。
    2. 刺激感はハマメリス水によるもの。
    3. ビニール肌になるには、相当な刺激が必要。

    それぞれについて、詳しくお伝えします。

    マイルドな界面活性剤が使われいている

    ノーモアブラックヘッドに配合されている界面活性剤は以下のものです。

    1. ラウロイルグルタミン酸Na
    2. ラウリン酸ポリグリセリル-10
    3. ミリスチン酸ポリグリセリル-10

    界面活性剤は肌への刺激につながりやすい代表的な成分ですが、ノーモアブラックヘッドに配合されているものは、比較的肌へ優しいと言われるものばかりです。

    アミノ酸系やポリグリセリン系と呼ばれる界面活性剤で、肌への優しさが特徴のひとつとして、化粧品に配合されます。

    そのため、ノーモアブラックヘッドの界面活性剤で肌への刺激は、起きにくいと言えます。

    刺激感はハマメリス水によるもの

    ノーモアブラックヘッドが危ないと言われる原因は、おそらくハマメリス水によるものと思われます。

    ハマメリス

    水の次に多く配合されているハマメリス水には、肌の収斂(引き締め)作用があります。

    この収斂作用あるとヒリヒリ感を感じることがあるため、これが肌刺激となり危ないと言われていると思われます。

    kazunari
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    変な成分が肌を攻撃して、ダメージを与えているわけではないと思います。

    ただ、収斂作用による刺激であっても、肌にとっては刺激なので、敏感肌などの方は注意して使う必要はあります。

    ビニール肌になるには、相当な刺激が必要

    ノーモアブラックヘッドでビニール肌になった、といった口コミも見られますが、ちょっと考えにくいと思っています。

    ビニール肌とは
    肌上にビニールが張ったように見える状態で、きれいに見えるがバリア機能を持つ角層が薄く、刺激に弱い。

    なぜなら、ビニール肌はかなり過剰なスキンケアが原因と言われているからです。

    例えば、スクラブ剤やピーリング剤などを繰り返し、過剰に肌の角質をとったりすることが挙げられます。

    kazunari
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    スクラブ剤の物理的な刺激や、ピーリング剤の化学的な刺激などかなり強い刺激が原因のようです。

    ノーモアブラックヘッドは、スクラブ剤やピーリング剤のような強い刺激を肌に与える成分は配合されていません。

    そのため、通常使用の範囲でビニール肌になるとは考えにくいのです。

    kazunari
    kazunari

    一日に何回もノーモアブラックヘッドを使う、といった過剰な使用は当然肌リスクにつながるので、注意してください。

    ノーモアブラックヘッドの使用感レビューと効果

    レビューイメージ
    著作者:upklyak/出典:Freepik

    実際に、使ってみた感想をまとめました。

    使用方法

    化粧品使用時

    コットンにノーモアブラックヘッドを適量染み込ませます。

    厚みのあるコットンなら、半分に裂いて薄くすれば使用する液量を抑えることができます。

    染み込ませたコットンを鼻に乗せ、パックします。

    この状態で15分ほど放置します。

    パックしている間は全成分にも記載のあるユーカリ葉油由来と思われるスーっとした香りがします。

    香りは嗜好性が高い領域なので主観になりますが、良くも悪くもないという程度の感想でした。

    ただ、少し肌への刺激が気になりました。

    パック中ピリピリという感覚が鼻全体で感じられました。

    先ほどお伝えした、ハマメリス水の収斂効果による刺激感かと思われます。

    別にパック後に赤くなったり痒くなったりとかはありませんでした。

    普通の肌であれば問題はないと思いますが、肌調子が良くない時などは注意が必要です。

    使用前後の変化

    試用前後の写真を撮ってみました。

    化粧品使用前

    こちらが使用前です。毛穴の黒ずみがしっかりと見えています。

    この鼻にパックしてみます。

    化粧品使用後

    こちらが使用後です。

    確かに毛穴の黒ずみ感はしっかり減ったのではないでしょうか。

    毛穴の皮脂をちゃんと除去してくれているようですね。

    kazunari
    kazunari

    意外にもしっかりと黒ずみは消えてくれました。

    定期的なパックでより効果がみられると思います。

    ただ、前述の通りパック中の刺激がすこし気になります。

    妻は全く気にならなかったようです。

    敏感肌や肌トラブルを抱えている方は、少しづつパック時間を長くするなど気をつけた方がいいです。

    ノーモアブラックヘッドの総合評価

    毛穴の黒ずみケア商品としては効果も感じられ、まずまずといった印象を持ちました。

    ただ、毛穴の黒ずみケア商品として売り出されているのに、角栓が除去されるように誤解を招く広告表記はちょっといかがなものかと思いました。

    kazunari
    kazunari

    過剰な期待を持たせてしまい、その結果がっかりされて、商品の評価を逆に落としてしまう気がします。

    もったいないですよね。

    効果は感じられますが、刺激感は少し強いです。

    ですので、最初は数日に1回の頻度で使用し、慣れてきたら使用する頻度を増やす使い方が良いかと思います。

    毛穴の黒ずみ悩みは20-30代の若い女性に特に多いので、そのニーズにはがっちり当てはまっているアイテムですね。

    kazunari
    kazunari

    角栓ケアアイテムではなく、毛穴の黒ずみケアアイテムとしてオススメです。

    毛穴の黒ずみが特に気になる方は、一度お試ししてみてはいかがでしょうか。

    角栓を除去したい方はこちらもおすすめ

    クリアリングジェル手にもって

    ノーモアブラックヘッドは毛穴の黒ずみに有効ですが、角栓除去は花王のソフィーナiPポア クリアリング ジェル ウォッシュがおすすめです。

    こちらは、毛穴や角栓にフォーカスした部分洗浄料です。

    花王の角栓除去技術が、余すことなく活かされています。

    kazunari
    kazunari

    これはかなりおススメの角栓除去剤です。

    写真のように鼻などの気になる部分になじませていきます。

    30秒ほどくるくると洗浄し、洗い流します。

    洗浄前後の鼻の角栓を比較してみました。

    洗浄後には、毛穴に詰まっていた角栓が除去され、毛穴がしっかりと見えているのが分かります。

    一回の洗浄でここまできれいに角栓が除去できるのは、かなり効果が高いといえます。

    洗浄後には、角栓が無くなることで肌のざらつきが消え去り、つるっつるになります。

    kazunari
    kazunari

    この洗いあがりの肌の感触がめちゃくちゃよくて、クセになります。

    角栓除去に注力したい場合は、このポア クリアリング ジェル ウオッシュをおすすめします。

    このポア クリアリング ジェル ウオッシュに関して詳しくは、
    この「【成分解析&使用レビュー】ポア クリアリング ジェル ウォッシュ-元化粧品開発者視点-」も是非ご覧ください。

    まとめ

    ノーモアブラックヘッドを色々と見た結論としては、以下の通りです。

    結論
    ・角栓は皮脂とタンパク質の混ざりもので、すべてを溶かすのは難しい。
    ・皮脂除去はちゃんと期待できるので製品の特徴を十分に理解して使って欲しい。
    ・実際に使ってみると毛穴の黒ずみは薄くなり、ちゃんと効果は感じられる。
    ・角栓除去剤ではなく、毛穴黒ずみのケア剤として使うのであれば買い!

    十分に役割を理解した上で使うのであれば、問題のない商品かと思いました。

    大げさな広告に騙されず、しっかりと冷静な目で商品を理解することが大事だなと感じさせられました。

    そのほかのスキンケア化粧品に関しても、
    この「【元化粧品開発者が解説】いろんなプチプラ基礎化粧品をレビューしてみた。」にレビューがまとめてありますので、ぜひこちらもご覧ください。

    最後までお読みいただきありがとうございました。

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