こんにちは。kazunariです。
ブログを運営していると、記事をパクられた、という声がチラホラSNS上などで見られます。
他人事のように思っていましたが、自分にも似たような事例が発生しました。
そこで、今回その経緯や対応したことについてまとめてみました。
同じような状況に遭遇された方の参考になれば幸いです。
ブログ記事の一部が無断引用・改変された?
私の場合、よく報告されているような記事の丸パクリではありませんでした。
ただ、明らかに著作権を侵害されていると感じたため、その経緯をまとめます。
なんとなく内容が似ている記事があった
引用改変されている記事を見つけたきっかけは、自分の記事の検索順位を確認していた時でした。
検索順位が高い記事がどんな内容か参考にしようと見てみると、自分の記事と同じような事を言っている企業の記事がありました。
最初は「同じような考えの人がいるんだな」くらいの印象でした。
よく読むと自分の記事を引用改変していると思われる箇所がある
ただ、中身を読むにつれて、違和感を覚え始めました。
自分の書いた記事と明らかにそっくりな文章がある!!
途中からそう確信しました。
ただ、相手の記事は丸パクリしているという訳ではありません。
私の記事の文章の一部を引用して、改変していると思われる文章が記事内にいくつも見られました。
私の記事を抜粋して、コンパクトな記事にしている感じです。
様々な文章で私とそっくりな言い回しが見られ、書いた本人が見ると明らかに自分の記事が元になっていると分かります。
中には、部分的に抜粋して文章を作成したせいか、論理的におかしい文章があったりしました。
引用ルールを守られていない
著作権に関するルールとして以下の点があります。
弁護士法人 咲くやこの花法律事務所
- ルール1:分量的にも内容的にも、自社のオリジナルのコンテンツが主であり、引用されているコンテンツが従であること。
- ルール2:引用の必要があること。
- ルール3:引用されているコンテンツと、引用者のオリジナルのコンテンツが明確に区別されていること。
- ルール4:引用元が明記されていること。
- ルール5:引用する他人のコンテンツに修正を加えていないこと。
今回の件では、特に3~5が守られていないと思われました。
引用していながら、引用元とオリジナルコンテンツが区別されていませんし、引用元は当然明記されていません。
そして、勝手に文章を引用して、改変しています。
著作権のルールを無視して、やりたい放題やっている印象でした。
向こうの方が検索上位なのが悔しい
引用改変した記事の方が、オリジナルの自分の記事よりも検索上位になっていました。
これは非常に悔しいです。
相手は企業サイトなので、個人ブログよりも検索上位に行きやすいと思われます。
引用改変した側が検索上位に来るのは、ブログ運営者としては大変屈辱的なものだと実感しました。
引用・改変の相手は少し複雑
著作権のルールを破っている相手に対して、何かしらの対策をしなければなりません。
ですが、調べてみるとその状況は少しだけ複雑なようでした。
3つの掲載サイトを確認
まず、調べてみると引用改変された同じ内容の記事が、少なくとも3つのサイトに掲載されていることが分かりました。
どれも美容関係の企業サイトでした。
それらの企業サイトをよく見てみると、1社が記事データを提供し、残りの2社がその提供を受け、掲載しているという状況が判明しました。
提供元は美容ライターがからの提供
そして、その記事データを提供している、企業は外注の?美容ライターから提供を受けているようでした。
なので、実際に引用改変した記事を作成したのは、この美容ライターだと思われます。
図にするとこんな感じだと思います。
いろんな関係者が存在すると、チェック機能が働かなくなるのでしょうか。
データ提供元は更新が止まっていた
そして、厄介なことにデータ提供元の企業のサイトを確認すると、1年近く更新が止まっていました。
問い合わせフォームはありますが、連絡が取れるのか非常に不安を感じます。
SNSのアカウントもありましたが、どれも更新が止まっていて現在活動しているのかが全く分かりませんでした。
削除依頼前にやったこと
不安はありましたが、とりあえず引用改変した記事は削除していただきたいので、依頼前に準備したことをまとめます。
魚拓を取る
まずは、証拠集めとして、魚拓をとりました。
ウェブ魚拓を利用して、関連するページはすべて魚拓をとり、そのURLをメモで残しました。
全画面のスクショを取る
あとは、念のため、各ページの全画面のスクショも取っておきました。
やりかたは、こちらの記事(CLIP)を参考にさせていただきました。
削除依頼の文言を作成
あとは、削除依頼の文章を作成します。
これが少し面倒でした。
記事を丸パクリされたわけではなく、記事の一部を引用改変されたので、偶然同じような文章になったとシラを切られる可能性があります。
そのため、削除依頼の文章には、
- 引用改変されたと思われる部位をなるべく多く示す。
- 引用改変により文章がおかしくなっている点を示す。
という点を意識して盛り込むようにしました。
そして、作成した文章が以下のものです。ご参考になれば幸いです。
※相手方の記事の内容等は割愛しています。
お世話になります。
Arasalife(https://arasalife.com/)の運営をしているkazunariと申します。
貴サイトにおいて、弊サイトの記事と類似する記事が見られました。
弊サイト記事(以後、弊記事と記します。)
【元化粧品開発者が解説】高い化粧品と安い化粧品の違いとは?(発信日:2021.04.15)
https://arasalife.com/cosmetic-price/
貴サイト記事(以後、貴記事と記します。)
○○(発信日:2022.03.31)
https://———
つきましては、貴社の見解をお聞かせいただくとともに、該当の貴記事の削除対応の検討をお願いいたします。
類似する記事と判断するに至った理由を次に記します。
まず、サイト構成から類似点が見られます。
化粧品の価格によって違う点を、弊記事では、「配合原料」、「研究開発費」、「容器代、パッケージ代」、「ブランドイメージ」と説明しそれぞれの見出しで詳細を説明していますが、
貴記事においても、
高い化粧品と安い化粧品の違いを「配合原料」、「研究開発費」、「パッケージ」、「ブランドイメージ」
とほぼ同じ単語を用いて説明し、それぞれの見出しで詳細を説明しています。
また文章内でも多くの類似点が見られます。
以下、類似点の一部抜粋です。
<配合原料の説明>
弊記事
「原料の価格はピンからキリまであり、安いと数百円/kgから、高いものでは数十万円/kgのものもあります。」
貴記事
「—」
<研究開発費の説明>
弊記事
「研究開発に使われるコストももちろん違ってきます。(一部省略)
高価格帯の化粧品にはより魅力的な価値を付与するため、精力的に研究が行われ、新しい技術が取り入れられます。
(一部省略)一方で、低価格帯の化粧品は既存の処方(化粧品のレシピ)を流用することも多く、なるべくコストをかけずに開発されたりします。また、すぐに販売するため、納期も短い傾向が多いです。」
貴記事
「—」
<パッケージ代の説明>
弊記事
「高価格帯の化粧品はメッキを使ったり、パーツ数が多かったりと容器のデザインにもかなりこだわります。一方で、低価格帯の化粧品は非常にシンプルな構成になりがちです。」
貴記事
「—」
<使用感の違いを説明する項目>
弊記事
「例えば、保湿力がとても高い原料、すごくしっとりするのにべたつかない原料、少量で乳化できる原料等、
高機能な原料が多々あります。」
貴記事
「—」
上記の様に、弊記事の内容を無断で引用および改変していると思われる文章が多数見られます。
弊記事は化粧品開発業務に携わった私の経験を基に作成しており、偶然同じような構成や説明になるとは考え難いです。
さらに一部では、抜粋して改変したためか、文章中の説明がおかしい点も見られます。
例えば、先ほど例示した<使用感の違いを説明する項目>で、弊記事では、「例えば、保湿力がとても高い原料、すごくしっとりするのにべたつかない原料、少量で乳化できる原料等、高機能な原料が多々あります。」という文章で、「少量で乳化できる原料」を高価、高機能な界面活性剤の一例を意図して示していますが、
貴記事では、
「—」
という文章になり、高価な保湿力の高い原料が「少量で乳化できる」という意味になっています。
しかし、少量で乳化できることと、保湿力の高さとは、直接的には関係しないため、意味が通じずおかしな文章になっています。
この点からも貴記事では、弊記事の内容を理解せず改変したものと考えました。
以上の理由から、冒頭でお伝えした通り、本件に関しての見解と、当記事の削除対応の検討をお願いするに至りました。
お手数ですが、御社のお考え及びご対応の方針につきまして、—までにご回答いただきますと幸いです。
以上の件、ご一考いただければ幸いです。
実際にサイトへ連絡してみた
削除依頼の準備ができたら、実際に掲載サイトへ問い合わせをします。
データ提供元へ削除依頼の連絡するが音沙汰無し
まずは、データ提供元のサイトに問い合わせしました。
お問い合わせフォームがあったので、そちらに先ほどの文章を記載し送信しました。
データ提供先サイトの記事の削除も一緒にお願いしています。
しかしながら、回答納期を過ぎても連絡は一切来ませんでした。
やはり、もう活動をしていないのでしょうか。
データ提供を受けている2つのサイトへも連絡
データ提供元からは連絡がなかったので、とりあえず提供を受けているサイト2社へも同様の内容を問い合わせフォームから送信しました。
対応はそれぞれで、微妙に異なっていました。
1つはすぐに対応してくれた
2つのうち、1つのサイトは送信した翌日くらいに、すぐに非公開の対応をしてくださいました。
Googleの検索結果にはまだ表示されますが、クリックしても記事は見られませんでした。
また、回答の中にはメディアから提供された記事を配信している旨が記載されており、内容については配信元へ問い合わせて欲しいとのことでした。
その配信元の状況が不明なんですよね。
もう1つは少し粘られたが、対応してもらえた
もう1社も連絡自体はすぐに来ました。
ただ、回答としては、
「配信元から記事の提供を受けているので、削除依頼は配信元に問い合わせてください。」
とのことでした。
このような対応は予想していましたが、少し困りました。
なにせ、配信元と連絡がとれないのですから。
とりあえず、配信元とは連絡が取れないこと、配信元サイトの更新も止まっていること、別のサイトはすぐに対応してくれたこと、を盛り込んで返信しました。
すると、数日後に”状況を理解し、当該記事を削除した”旨の連絡がきました。
どちらも削除していただくことができました。
対応後の状況
削除依頼したページは、対応してもらったばかりの時はまだ上位に表示されていました。
ただ、数日もすると検索順位はどんどん落ちており、私のページが上位に表示されるようになりました。
提供元のページは残っていますが、ひとまずは一件落着としました。
少し面倒ではありましたが検索順位は非常に重要なので、対策して良かったと思います。
私の経験が参考になれば幸いです。