今、CICA(シカ)化粧品がかなり流行していますね。
それだけ肌荒れや、敏感肌に悩まされている方が多いということですね。
様々なCICA化粧品がありますが、その中でもこのドクタージャルト シカペアクリームはかなり人気があるようです。
このシカペアクリームの人気の秘密は何でしょうか?
そこで今回は、シカペアクリームの成分解析と使用感レビューをして、その人気の秘密を探ってみたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
シカペアクリームのキホン
シカペアクリームはDr.Jart(ドクタージャルト)というブランドから発売されているアイテムの1つです。
2021年のアットコスメのフェイスクリーム部門では3位を獲得しています。
Dr.Jartは韓国のコスメブランドで、皮膚研究の専門家たちが共同開発していると謳っています。
名前からも分かる通り、CICA(シカ)成分を配合したクリームで、敏感肌ケアにフォーカスしたアイテムとなっています。
CICAとは「傷」を意味するスペイン語の「cicatriz」が由来と言われています。
CICA化粧品は肌の傷やダメージ、炎症に対応することを意識したコンセプトで作られています。
そして多くのCICA製品の特徴として、ツボクサエキスをはじめとするツボクサ由来の成分が配合されています。
ツボクサはセリ科の植物で、美容や健康に関して古くから利用されてきたハーブです。
ツボクサ由来の成分に優れた創傷治癒効果があるため、民間療法の薬としても重宝されてきました。
そのため、ツボクサ由来の成分が配合されることで、CICA化粧品が創傷治癒や敏感肌対応にイメージになっています。
・シカペアクリームは、皮膚研究の専門家が開発した敏感肌対応のCICA化粧品。
・アットコスメのアワードを獲得するなど、かなり人気のあるクリーム。
シカペアクリームの成分解析
シカペアクリームの成分解析を行います。
全成分表示は以下の通りです。
水、BG、プロパンジオール、エリンギウムマリチムムカルス培養液、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、セテアリルアルコール、水添ポリ(C6-14オレフィン)、エチルヘキサン酸セチル、ジステアリン酸ポリグリセリル-3メチルグルコース、シア脂、ナイアシンアミド、ビニルジメチコン、マカデミア種子油、ステアリン酸グリセリル、ペンチレングリコール、セイヨウノコギリソウ油、ドクダミエキス、セイヨウヒイラギ葉エキス、1,2-ヘキサンジオール、リンゴ酸ジイソステアリル、水添野菜油、ポリメチルシルセスキオキサン、ミツロウ、オリーブ油脂肪酸セテアリル、オリーブ油脂肪酸ソルビタン、マデカッソシド、セイヨウキズタエキス、乳酸菌培養液、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、ヒドロキシアセトフェノン、パルミチン酸、ステアリン酸、ポリアクリロイルジメチルタウリンNa、カルボマー、キサンタンガム、水添ポリデセン、トロメタミン、カラメル、メリアアザジラクタ葉エキス、DNA、メリアアザジラクタ花エキス、アデノシン、イソステアリン酸ソルビタン、アシアチコシド、EDTA-2Na、ツボクサ葉エキス、コクシニアインディカ果実エキス、トリデセス-10、パンテノール、コハク、ナス果実エキス、エチルヘキシルグリセリン、ウコン根エキス、カミメボウキ葉エキス、サンゴモエキス、ワサビノキ種子油、ラベンダー油、ベルガモット果実油、トコフェロール、塩化Ca、硫酸Mg、アシアチン酸、マデカシン酸、ツボクサエキス
成分の種類がかなりありますね。
よく言われているのが、4番目にあるエリンギウムマリチムムカルス培養液の表記が、外箱やHPなどで異なる点です。
正直どちらが正しいかはわかりませんが、外箱に記載されているものを正しいものとして進めます。
外箱の成分表示が間違っていると、回収しなければいけませんからね。
1%を超える成分
配合量1%を超える成分は、量が多く化粧品の性質や効果を大きく左右するため、非常に重要です。
シカペアクリームで1%を超える成分は、おそらく以下の成分です。
水、BG、プロパンジオール、エリンギウムマリチムムカルス培養液、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、セテアリルアルコール、水添ポリ(C6-14オレフィン)、エチルヘキサン酸セチル、ジステアリン酸ポリグリセリル-3メチルグルコース、シア脂、ナイアシンアミド、ビニルジメチコン、マカデミア種子油、ステアリン酸グリセリル、ペンチレングリコール
この1%を超える成分をさらに分類してみます。
水性成分
水性成分は以下の成分です。
水、BG、プロパンジオール、エリンギウムマリチムムカルス培養液、ナイアシンアミド、ペンチレングリコール
BGとプロパンジオールが2,3番目に記載されているので、かなりの量が配合されていることが分かります。
これらの成分は水溶性の保湿剤で、割とあっさりとした使用感になります。
保湿力の他に防腐力もあるので、ペンチレングリコールを含めてこれらの成分のおかげで、ノンパラベンが可能になっています。
そして、普通は水溶性の保湿剤と言えば、グリセリンが王道ですが、シカペアクリームでは配合されていません。
グリセリンは良い保湿剤ですが、ニキビの原因となるアクネ菌が好むと言われています。
おそらく、このアクネ菌のことを意識して、わざと配合していないと思われます。
荒れ肌、敏感肌対策を意識した保湿剤の選択がみられます。
また、エリンギウムマリチムムカルス培養液も4番目に記載されているので、かなり多い配合です。
コラーゲンの合成促進、ターンオーバーの正常化に効果があると言われています。
全成分表示の記載順から、効果が期待できる量は配合されていると思います。
良いなと思うのが、ナイアシンアミドがそれなりの量配合されていそうな点です。
ナイアシンアミドは医薬部外品の有効成分にも使われ、シワ改善や美白等、肌に良い効果が様々あります。
おそらくこのナイアシンアミドがシカペアクリームの効果のかなりの部分を担っていると思います。
・ニキビケアを意識してか、グリセリンが無配合。
・ナイアシンアミドとエリンギウムマリチムムカルス培養液が効果のメイン成分。
油性成分
続いて、油性成分は以下の成分です。
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、セテアリルアルコール、水添ポリ(C6-14オレフィン)、エチルヘキサン酸セチル、シア脂、ビニルジメチコン、マカデミア種子油
よく見る油性成分が並んでいます。
固形のセテアリルアルコール、ペーストのシア脂、それ以外は液状の油性成分でバランスよく配合されています。
あまりクセのない、シンプルな組み合わせで作られています。
敏感肌対策の観点から、さっぱり目な感触を意識されているかと思います。
ビニルジメチコンはシリコーン系の油性成分で、べたつきを抑える等、感触改良の役目で配合されています。
・油性成分はあっさりめな組み合わせ。
・シリコーン系油剤で使用感を整えている。
界面活性剤
残りは界面活性剤です。
水と油を乳化させるために配合されます。
ジステアリン酸ポリグリセリル-3メチルグルコース、ステアリン酸グリセリル
配合量1%以下で、もう少しいろいろ入っていますが、メインはこの2つですね。
ステアリン酸グリセリルはめちゃくちゃよく見る界面活性剤で実績ばっちりです。
一方、ジステアリン酸ポリグリセリル-3メチルグルコースはあまり見かけない界面活性剤です。
調べてみると、界面活性剤としてだけでなく、エモリエント成分としても使われるみたいですね。
肌の表面に残り、水分の蒸散を防ぐ油性成分。基本的にオイルはだいたいエモリエント成分。
構成成分が、ステアリン酸、ポリグリセリン-3、メチルグルコースと汎用され、安全性も高いものなので、安全性リスクはそこまで高くないと考えます。
乳化作用があるポリマー((アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー)も配合されているので、この組み合わせで乳化の安定化を図っています。
・界面活性剤は2種類。どちらも安全性は高い。
その他の気になる成分
1%の配合量を超えないけど、気になった成分をピックアップしました。
マデカッソシド
シカ成分のメインであるツボクサエキスに含まれる成分です。
抗炎症、鎮静作用など肌荒れケアに有効と言われています。
このシカペアクリームは一度リニューアルされていますが、その際にこのマデッカソシドの配合量が、なんと8,000倍アップしています。
8,000倍はすごいですね。
それでも全成分表示の前の方には来ないので、元々どれほど少ない量の配合だったのでしょうか?
ただ、やはり8,000倍も配合量が増えれば、マデッカソシドの効果も期待できるようになってくると思います。
リニューアルで肌荒れケアに特化したクリームになったことは間違いないですね。
・マデッカソシドの配合量がアップし、CICAの効果はそれなりに期待できそう。
CICA(シカ)成分たち
その他に以下のCICA成分が配合されています。
- ツボクサ葉エキス
- アシアチコシド
- アシアチン酸
- マデカシン酸
- ツボクサエキス
これらはツボクサから抽出される成分で、CICA化粧品で頻繁に見れられる成分です。
これらのCICA成分の配合を根拠に、CICA化粧品には肌を鎮静させ、赤みを抑えるといった効果を謳っています。
しかしながら、これらの成分の配合濃度は不明です。
ほんとに微量の配合でも、入っていると記載できてしまうルールなんです。
配合濃度は不明ですが、おそらくかなり少ないことが予想されます。
こういった有効成分は原料原価が高く、そこまで大量に配合できません。
また、もし高配合していたら、絶対にマデッカソシドの様に大量配合をアピールするはずです。
そのため、CICA化粧品とは言っていますが、CICA成分の配合量は少ないと考えられるのです。
実際に化粧品としての機能を発揮するのは、これらのCICA成分ではないんですね。
全成分表示の順序を見ると、エリンギウムマリチムムカルス培養液、ナイアシンアミドは効果が期待できそうな量入っていると思います。
・他のCICA成分の配合濃度は高くなさそう。あまり期待しすぎないように。
それ以外の訴求成分など
このシカペアクリームは成分数が多いです。
特に訴求成分はかなりの種類が配合されています。
有効成分など化粧品のウリとなる成分で、化粧品の魅力を高める。実際にはごく微量の配合だけのものも多い。
この全成分表示を見て、ちょっと敏感肌向けの化粧品としては、成分が多すぎると思いました。
例えば訴求成分に関しては、これまでお伝えしたもの以外にも、以下の成分が挙げられます。
セイヨウノコギリソウ油、ドクダミエキス、セイヨウヒイラギ葉エキス、セイヨウキズタエキス、乳酸菌培養液、メリアアザジラクタ葉エキス、DNA、メリアアザジラクタ花エキス、アデノシン、コクシニアインディカ果実エキス、パンテノール、コハク、ナス果実エキス、ウコン根エキス、カミメボウキ葉エキス、サンゴモエキス、ワサビノキ種子油、ラベンダー油、ベルガモット果実油、塩化Ca、硫酸Mg
訴求成分がてんこ盛りですね。
おそらく、それぞれの成分が本当にごくわずかの配合だと思われます。
一方で少量とはいえ、様々な成分の配合は肌へのリスクも高めてしまいます。
これだけ様々な成分が入っていると、敏感肌へは何かしら影響を与えてしまう可能性もあります。
そういった意味で、ちょっと無駄に成分を配合しすぎかな、という印象がありました。
・訴求成分が非常に多い。ただし、効果があるかは別問題。
シカペアクリームの成分解析まとめ
シカペアクリームの成分解析をまとめると以下の通りです。
・水溶性の保湿剤がリッチだが、グリセリン無配合でニキビケアを意識。
・油性成分は少なめであっさりとしたものが多く、これもニキビケアを意識。
・訴求成分は多いが、効果はあまり期待しない方が無難。
・ナイアシンアミドとエリンギウムマリチムムカルス培養液は配合量が多く、効果が期待できる成分。
シカペアクリームの使用感レビュー、効果実感
実際にシカペアクリームを使用して、テクスチャーの評価と効果実感レビューします。
テクスチャー評価
チューブから出し、手の甲で使用してみました。
ハーブや薬効をイメージさせる緑色のクリームです。
クリームの濁度があまり高くないので、油性成分が少なそうです。
ラベンダー油などの数種類の精油が配合されているので、それらが合わさった独特の香りがします。
この香りも薬効をイメージした作りでしょうか。
香りは、好き嫌いが分かれそうだなと思いました。
塗り伸ばしていくと、結構コク感があります。
ぬーっと伸びていきました。
馴染みは割と早かったです。
少量でも結構柔らかい保護膜感があります。
ですが、オイル感からくる保護膜とは異なります。
全成分表示から、おそらく水溶性の保湿剤のしっとり感由来のものかと思います。
また、シリコーン由来のさらっとした感触もあり、オイル感は控えめです。
このシリコーンのおかげで、べたつきはほとんど感じられません。
このあたりは、ニキビケアを意識した使用感になっているようです。
クリームではありますが、しっかりオイルで保湿する、というよりは水溶性の保湿剤でほどほどにしっとりさせる、という機能になっています。
効果実感
2週間ほど使い続けみましたが、肌調子は良いです。
特に肌の赤みが抑えられてきたように感じます。
私は男性で皮脂の分泌が多いので、この油分が控えめのクリームと相性がいいようです。
・水溶性の保湿剤リッチなしっとり感。
・シリコーン由来のさらさら感でべたつきはない。
・ニキビケアを意識してか、クリームとしては保湿機能は控えめ。
・肌の赤み抑制の実感があった。
シカペアクリームはこんな人におススメ
成分解析、使用感評価を行った結果、以下のような方にシカペアクリームはおススメだと思いました。
どの方も油分は控えめにしたい方ですね。
シカペアクリームの配合成分の特徴は、水溶性の保湿剤が多く、代わりに油分が控えめです。
使用感もオイリー感が結構抑えられています。
そのため、保湿はしたいけど油分は控えたい方にピッタリです。
逆に、しっかりと油膜で保湿したい、という方には物足りなさを感じると思います。
商品レビューを見ても、ニキビや肌荒れに悩む方の購入が多いみたいですね。
まとめ
シカペアクリームの成分解析と使用感レビューをしました。
・水溶性の保湿剤が多め、油分は少なめのクリーム。
・CICA成分は配合されているが、そこまで期待しない方がいい。
・代わりに、ナイアシンアミドやエリンギウムマリチムムカルス培養液の効果に期待。
・使用感もオイリー感が少なく、油分を控えたい方におすすめ。
触ってみると、結構特徴がはっきりとしたクリームだな、という印象でした。
敏感肌や肌荒れ、ニキビに悩む方、というようにターゲットがはっきりとしています。
ただ、ここまでの人気はおそらく、広告やSNSの活用が効いていると思います。
広告を見ているときわどい表現などで、かなり効果があるように見せているなと感じました。
韓国コスメは結構、広告表現は攻めてるなと思います。
ちょっと言い過ぎな点もありますが、だからと言ってこのシカペアクリーム自体が悪い訳ではありません。
ちゃんと使えば、しっかりと効果は期待できると思います。
気になった方は、ぜひ一度試してみてください。
この記事が参考になっていれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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