好きなブランドのライン使いは、一度はしてみたいと思う方は多いのではないでしょうか。
ただ、お財布事情もあり、なかなかできないというのが実際かと思います。
また、そもそもライン使いすべきなのか?と悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回はブランドのライン使いに関して、元化粧品開発者の考えをまとめてみました。
スキンケアアイテム選びの参考になれば幸いです。
化粧品と医薬部外品で異なる
ブランドでライン使いするかどうかは、化粧品と医薬部外品で変わってくると考えています。
そもそも化粧品と医薬部外品の違いはご存じでしょうか?
いろいろと違いはありますが、めちゃくちゃざっくりと説明すると、
・化粧品の主な効果は肌の保湿。
・医薬部外品は有効成分が配合され、化粧品よりも効果効能が広い。
肌への効果に関しては、上記のような違いがあります。
このように、化粧品と医薬部外品で肌に対する効果も異なってくるので、スキンケアアイテムをライン使いすべきかの考え方も変わってきます。
化粧品、医薬部外品の観点で分けて、ライン使いすべきかを次に詳しくお伝えします。
化粧品と医薬部外品の違いに関しては、他の記事でも詳しくお伝えしています。
化粧品と医薬部外品の違いに関して詳しくは、
この「【元化粧品開発者が解説】化粧品と医薬部外品の違いとは?」も是非ご覧ください。
化粧品はブランドで統一する必要はない
化粧品に関しては、私はわざわざアイテムを統一する必要はないと考えています。
なぜなら先ほどお伝えした通り、化粧品の主な効果は肌の保湿なので、どのブランドを使っても肌への主な効果は変わりません。
もちろん保湿力の強さや持続力などはブランド毎に全然違います。
なので、ブランドが異なっていても化粧水、乳液、クリームそれぞれをしっかりと使っていればいいのです。
ただ、ブランドによってはヒアルロン酸やコラーゲン、植物エキスといった美容成分が統一で配合されているので、ライン使いの方が効果が高くなるんじゃないの??
と思われる方もいらっしゃるかと思います。
もちろん、ライン使いすれば美容成分の使う量は増え、その効果は高まるかもしれません。
ですが、そもそもそのような美容成分は配合量が非常に少なく、商品のイメージアップのための配合であることが非常に多いです。
そのため、いくらライン使いしたところで、その効果は限定的であることが多いです。
いくら効果のありそうな成分であっても、低濃度の配合では全然意味がありません。
たとえ微量しか配合していなくても、堂々と配合していることを謳えるので、消費者は誤解しがちです。
あくまでも、化粧品のメインの効果は多く含まれる保湿剤による、肌の保湿です。
化粧水は水分を与えますし、クリームは油膜で水分の蒸散を防ぎます。
この基本的な役割はどのブランドも変わらないですよね。
以上の点から、ブランドをライン使いするメリットは化粧品の場合はあまりないと考えます。
なので、化粧品を選ぶ際はブランドにこだわらず、使用感や香り、保湿力などの好みで決めてしまえばいいと思います。
別にブランドのライン使いを反対しているわけではありません。
無理をしてまで、ブランドを揃える必要はないということです。
化粧品の主な効果は保湿なので、無理してブランドをライン使いする必要はない。
医薬部外品はライン使いした方が良い
一方で、医薬部外品はブランドを揃えてライン使いした方が良いと考えています。
なぜなら、ほとんどの医薬部外品はブランド内で統一した有効成分が配合されているためです。
化粧品の美容成分とは異なり医薬部外品の有効成分は、その効果が科学的に認められる量を配合するルールになっています。
例えば、ビタミンC誘導体は美白の効果があり、その美白効果がしっかりと発揮されると考えられる量が医薬部外品には配合されています。
微量の配合量では、有効成分として認められません。
同じ有効成分を配合したアイテムをライン使いすれば、それだけ有効成分をたくさん肌に届けられるので、期待する効果も高まります。
例えば、シワ改善の有効成分であるナイアシンアミドを配合したブランドのローション、乳液、クリームをライン使いすれば、ナイアシンアミドの総使用量が高まり、シワの改善効果も高まります。
化粧品と同じように保湿もしてくれますが、同じブランドをラインで使えば保湿+有効成分の効果が高まります。
以上の点から、医薬部外品を使う場合、なるべくブランドをラインで使われることをおススメします。
ただしこの考え方では、有効成分が同じであればいいので、無理してブランドを統一する必要はありません。
パッケージにある成分表示の有効成分をチェックして、同じ有効成分が配合されているアイテムを選ぶ方法でもOKです。
医薬部外品の成分表示は、有効成分とその他の成分に分かれていて、最初に有効成分が記載されているので、成分表示の最初を見るだけでOKです。
商品によって表記の仕方は若干異なります。
有効成分に※を付けて表記している場合もありますが、すべて最初に表示されます。
化粧品、医薬部外品の表示に関して詳しくは、
この「【元化粧品開発者が解説】化粧品パッケージの成分表示の見方とは?」も是非ご覧ください。
この時、注意すべき点は、効能効果を揃えるのではなく、有効成分を揃える点です。
例えば、美白効果のある有効成分は、
- アスコルビン酸
- アルブチン
- トラネキサム酸
- ナイアシンアミド
などなど、いろいろあり、美白という効果だけでアイテムを選ぶと、有効成分がバラバラになってしまう恐れがあります。
有効成分の作用メカニズムはそれぞれ異なるので、バラバラに使っていては成分の作用がばらけてしまいます。
有効成分を集中して使って、効果をしっかりと出していくべきです。
いちいち成分をチェックするのが面倒だなと思われる方は、ブランドでライン使いしておけばOKです。
医薬部外品はライン使いして、有効成分の効果をしっかりと出していくべき。
まとめ
ブランドでライン使いすべきかについてまとめてみました。
元化粧品開発者の私の考えは以下の通りです。
化粧品と医薬部外品でおススメの使い方が変わってきます。
特に多くの方が使われる化粧品に関しては、ブランドのライン使いにあまりメリットがないと私は思うので、自分好みのラインを作りあげる楽しさを満喫していただきたいです。
一方で、医薬部外品は効果に重点を置きたいので、有効成分のことを考えたライン使いがお勧めです。
ただ、ブランドのライン使いはお財布に厳しい場合もあるので、無理のない範囲でしていただければ幸いです。
まずは、ブランドのライン使いに捉われすぎないで、好きな化粧品を選んで楽しんでスキンケアしていただきたいです。