石油系界面活性剤って本当に良くないの?元化粧品開発者が解説します。

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この記事を書いた人

某化粧品メーカーの元化粧品開発者。
約8年間、基礎化粧品一筋の開発者として多数の化粧品の処方設計に従事。その後転職し、現在は肌に関する研究活動に注力。
化粧品開発者としての知識や経験を基にしたスキンケア情報や、ライフハック的な情報を随時発信。

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この記事は次のような方におススメ
  • 石油系界面活性剤のイメージが良くない方
  • 化粧品の成分にこだわりがある方
  • 化粧品の安全性に興味がある方
  • 今回は石油系界面活性剤について簡単にまとめてみました。

    よく石油系界面活性剤が悪者にされている記事を見かけます。

    その中にはちょっと言いすぎていたり、中には間違った情報が書かれていたりして、不当に石油系界面活性剤のイメージが悪くなっていると感じることがあります。

    そのため、今回はもう少し正しい情報をお届けしたく本記事を作成しました。

    結論としては界面活性剤の由来は気にする必要はないです。

    以下にその理由を書いていきますね。

    界面活性剤は化粧品に無くてはならない成分

    界面活性剤の基本的な性質は別記事(界面活性剤の機能と肌への影響について)で記載していますので、こちらでは簡単にまとめておきます。

    界面活性剤は水に溶ける親水基と水に溶けにくい疎水基からできています。

    界面活性剤の構造イメージ

    この水への溶け方が異なる成分が一つの分子内に共存することで、シャンプーを泡立てたり、香料を水に溶かしたり、水と油をきれいに混ぜてクリームを作ったり、汚れを落としたりと様々な機能を発揮することができます。

    化粧品には無くてはならない原料の一つです。

    石油系界面活性剤というのはこの親水基または疎水基の両方、またはどちらか一方が石油由来であることを指しています。

    石油系、天然系に惑わされてはいけない

    原料イメージ

    界面活性剤はよくその原料の由来から石油系と天然系とで分けられていますが、実際何が違うのでしょうか。

    界面科学と界面活性剤のあゆみ」というライオンの藤原さんの文献に、主な界面活性剤の合成ルートが記されているので引用させていただきました。

    界面活性剤の歴史等も書かれていて興味深、ぜひこちらもご覧いただくとより深い知識が得られます。

    界面活性剤の合成ルート

    https://www.jstage.jst.go.jp/article/oleoscience/1/4/1_403/_pdf/-char/en

    図を見てみるとどちらの由来からも非常に多くの界面活性剤が合成されていることが判ります。

    そして左上の油脂が天然由来、左下の石油がそのまま石油由来を示してますね。

    着目すべき点は中央左に記載されている「高級アルコール」です。

    高級アルコールは油脂からも石油からも作られ、それ自身も化粧品原料として配合されますし、様々な界面活性剤へ合成されています。

    要するに石油からも天然成分からも同じ界面活性剤が作られる事もあるということです。

    そしてその合成される界面活性剤にはよく石油系界面活性剤の悪者の代表例として挙げられる、アルキル硫酸エステル塩(ラウリル硫酸ナトリウム等)も含まれています。

    確かにラウリル硫酸ナトリウム等はタンパク質の変性作用があり細胞への毒性もありますが、別に石油から作られているから悪いという訳ではないんですね。

    結局何が言いたいのかというと、石油由来だろうが、天然由来だろうが刺激や毒性のあるものは作られますし、そうでないものもあるということです。

    石油系界面活性剤不使用と書かれていても、植物由来のアルキル硫酸エステル塩が配合されていることもあり得ます。

    kazunari
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    そもそも論になってしまいますが、石油も天然資源なので天然由来成分なのですけどね。

    石油由来の界面活性剤は良くないのか

    疑問イメージ

    先に結論を言ってしまうと、「そんなこと考える必要がない」です。

    石油由来の界面活性剤がよく悪者にされていますが、先ほどお伝えした通り、石油由来だろうが天然由来だろうが刺激の強いものはあります。

    また、石油系界面活性剤と言ってもその種類は多岐に渡り、肌への刺激や毒性も大きく異なります。

    さらに、成分の毒性は配合濃度に強く依存しますので、例え刺激が強めの成分が入っていてもごく微量であれば何も問題はないと考えます。

    そもそも石油由来のイメージの悪さは、昔は精製技術がそこまで高くなく、石油由来の成分に含まれる不純物が悪さをしていたところからきています。

    現在は精製技術も高く、不純物の影響もない為全く気にする必要はありません。

    若干余談になりますが、原料単体で評価すると刺激が強いものも、他の原料と一緒に配合すると刺激が弱まる技術も見出されています。

    以上の点から、単に石油系界面活性剤が入っているから肌に良くないと考えるのはあまりにも安直すぎると私は考えます。

    ただ、由来に関わらず刺激の強い界面活性剤自体は存在するので、全成分表示を見て最初の方に記載があるようであれば避けるようにする等の対処はされても良いかと思います。

    また、LUSHでは「SLS(ラウリル硫酸)は怖くない」という記事で、そもそもラウリル硫酸ナトリウムの有用性の高さを書いていたりもします。

    kazunari
    kazunari

    イメージ払拭に力を入れている企業もあるようですね。

    まとめ

    今回は石油系界面活性剤に関する誤解を解くための記事を作成しました。

    界面活性剤の由来だけに気を付けても意味がないことが少しでも理解されれば幸いです。

    化粧品業界は肌に良くないと思われる成分を悪者にして、それを配合していないことで製品のイメージを良くする手法が取られます。

    ノンシリコーンは特にそうですが、石油系界面活性剤に関しても似たような手法だなと思います。

    メーカーが伝える都合のいい話を鵜呑みにすることなく、正しい知識を備えて賢い消費者になっていただきたいと思います。

    最後までお読みいただきありがとうございました。

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