今回はちょっと変わった、2層式の美容液の成分解析と使用レビューをします。
それが、こちらアジャイル コスメティクス プロジェクトの白いオイルです。
水とオイルの2層に分かれていて、あまり見かけないタイプの美容液です。
とても変わっていますが、実は、一般的な乳液やクリームも同じように水とオイルから出来ています。
では、乳液やクリームと比べて、何が違ってこのような2層式になっているのでしょうか?
また、2層式の白いオイルのメリットやデメリットはなんでしょうか?
今回はこの白いオイルの特徴をご説明しながら、白いオイルの成分解析と使用レビューをしてみたいと思います。
この記事で、2層式の白いオイルの特徴が良く分かると思いますので、最後までご覧ください。
※こちらはPR記事となっています。
白いオイルの特徴
まずは、白いオイルの特徴をお伝えします。
水とオイルが分離した2層式タイプ
まずは、何と言っても水とオイルが分離しているのが最大の特徴です。
上がオイル成分、下が水成分ですね。
使う前に振ることで、水とオイルが混じりあって、白く乳化します。
そして、少し経つと乳化が壊れて、また2層に分離してきます。
使う前の振る力で、一時的に水とオイルが混ざっているわけです。
この2層式の処方的な特徴に関しては、後ほど成分解析で詳しくお伝えします。
うるおいと明るさにフォーカス
上層のオイルは、厳選した8種類の高保湿の植物オイルが採用され、うるおいをキープします。
一方、下層の水の成分には、肌を明るくする効果が期待されるビタミンC誘導体や、紫外線によって青色の光を発して、肌の色と混ざると白色に見える効果があるピタヤ果実エキスが配合されています。
特にピタヤ果実エキスの効果が面白いですね。
ブライトニング効果の即効性が期待できそうです。
度重なるアップデート
この白いオイルは何度も細かなアップデートを繰り返しています。
白いオイルのブランドアジャイル コスメティクス プロジェクトはアジャイル開発という手法を取っています。
これは、製品のフィードバックを基にその製品のアップデートを細かく繰り返す方法です。
スマホのアプリみたいに、ちょこちょこ修正されながら、よりよい商品を目指している訳ですね。
私の手元にある白いオイルは、ver.1.49と記載があるため、今のところ49回アップデートされているようです。
一般的な化粧品開発では考えられないくらい、アップデートされており、より良い製品づくりへのこだわりが感じられます。
様々な製品のアップデート履歴も公開されているので、ご興味がある方は、こちらのアップデート履歴からご覧ください。
7つのフリー処方
白いオイルは以下の7つの成分がフリー処方となっています。
- シリコン
- パラベン
- エタノール
- 鉱物油
- 石油系界面活性剤
- 合成着色料
- 合成香料
いろいろと気にされる方は、余計なものが入っておらず安心感が高まりますね。
化粧水のあと、これ一本。うるおいと明るさを両立した高保湿美容液【白いオイル】
白いオイルの成分解析
それでは白いオイルの成分解析をしていきます。
以下が、全成分表示です。
水、スクワラン、ホホバ種子油、BG、グリセリン、サフラワー油、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、アンズ核油、3-O-エチルアスコルビン酸、カニナバラ果実油、メドウフォーム油、アブラナ種子油、ヒマシ油、クエン酸Na、ピタヤ果実エキス、ペンチレングリコール、クエン酸、(ジイソステアリン酸/ポリヒドロキシステアリン酸/セバシン酸)ポリグリセリル-4、オリーブ油PEG-7エステルズ、カンゾウ根エキス、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-3、フェノキシエタノール、トコフェロール、塩化Na、ベルガモット果実油、マヨラナ葉油、ローズマリー葉油、アルテア根エキス、コメヌカエキス、キサンタンガム、ピロ亜硫酸Na、ファラエノプシスシウドングウヒシュケイ花エキス、1,2-ヘキサンジオール
こちらの情報を基に、特徴的な処方や成分などをピックアップしますね。
2層式のため界面活性剤が少ない
白いオイルの最大の特徴である2層式は、界面活性剤の配合量が少ないことで作られます。
一般的な乳液やクリームも、白いオイルと同様に水とオイルを含んでいます。
しかし、これらのアイテムはご存知の通り、水とオイルは分離してきません。
これは水とオイルの間に界面活性剤が十分に存在して、オイル同士がくっつくのをしっかりと防いでくれるためです(乳化)。
一方、白いオイルの場合、界面活性剤の量が少ないため、振った時の力で一時的にオイルが分散して、そのオイルの表面に界面活性剤がくっつきます。
ところが、界面活性剤が少量のため、分散したオイル同士がくっつきやすく、少し時間が経つとどんどんオイルは合体していきます(合一)。
そして、合体したオイルは最終的に一つの層になり、水とオイルの2層に戻ります。
これが、乳液やクリームと、白いオイルの違いです。
乳液やクリームはずっと乳化させる、白いオイルは使う時だけちょっと乳化させる、といったイメージです。
乳液やクリームは新品未開封で3年は分離してはいけない為、しっかりと界面活性剤を配合する必要がありますが、その分界面活性剤による肌への刺激リスクも上がってきます。
一方で、白いオイルの場合、使う時だけ乳化すればいいので、かなり少量の界面活性剤で済むことから、界面活性剤による肌への刺激リスクは抑えられます。
界面活性剤は肌への刺激リスク以外にも、べたつきなどの悪い使用感もでるため、配合量を減らせるメリットは非常に大きいです。
界面活性剤の配合量が少なく、肌の刺激リスクが抑えられている。
配合オイルにこだわりあり
配合されているオイルにもこだわりが感じられます。
白いオイルには植物オイルとして、以下の8つのオイルが配合されています。
- スクワラン
- ホホバ種子油
- サフラワー油
- アンズ核油
- カニナバラ果実油
- メドウフォーム油
- アブラナ種子油
- ヒマシ油
メインのオイルはスクワランとホホバ種子油
特にメインとして多く配合されているのは、スクワランとホホバ種子油です。
スクワランは皮脂に含まれるスクワレンを安定化させた炭化水素油と呼ばれるもので、肌からの水分蒸散を防いでくれます。
似たような炭化水素油で、よくミネラルオイルというものが用いられますが、こちらは鉱物油で非常に安価なため、プチプラアイテムでよく使われます。
一方で、スクワランはミネラルオイルと比べるとかなり原価の高い成分ですが、皮脂と類似構造を持つため、安心して使えるオイルと言われています。
白いオイルでは、ミネラルオイルを一切使わず、スクワランを選択していることから、利益だけを追うことなく、しっかりと良い製品を作ろうとしている姿勢が感じられます。
また、ホホバ種子油も化粧品のオイルとしては珍しい、ロウ類に分類される成分で、肌を構成する成分や皮脂の成分と構造が類似しています。
そのため、肌なじみが良く、使用感もさらっと、べたつかず、しっかりと保湿してくる非常に優れたオイルであると言えます。
肌を柔らかくしてくれる効果もあり、お気に入りの成分でしたので自分の開発品によく配合していました。
こちらも原価は高いですが、白いオイルでは、全成分表示の中で3番目に記載されており、たっぷりと配合していることが分かります。
以上のことから、スクワランとホホバ種子油というメインのオイルがしっかりと保湿効果を発揮してくれると考えられます。
原価の高いオイルをメインに、こだわりを持って作られている。
オレイン酸含有量を抑えたオイルの配合
白いオイルに配合されるオイルは、オレイン酸の含有量に気を遣っています。
オレイン酸とは、脂肪酸と呼ばれるオイル成分の一つです。
化粧品には様々な植物オイルがありますが、実はこれらのオイルは様々な脂肪酸などから構成された複雑な混合物になっています。
そのオイルを構成する様々な脂肪酸のひとつにオレイン酸というものもあるんですね。
そして、オレイン酸は脂肪酸の中でも不飽和脂肪酸という分類になります。
不飽和脂肪酸は安定性が低く、酸化しやすいという特徴があります。
不飽和脂肪酸が酸化されると、過酸化脂質を生成し、これが肌へのダメージを引き起こします。
オレイン酸が肌ダメージの素になってしまうわけです。
白いオイルでは、このオレイン酸を極力減らした処方設計を行っています。
これによって、肌へのリスクを減らしながら、しっかりと保湿できるアイテムになっていると思います。
オレイン酸の含有量を抑え、肌へのリスクを低くしている。
ビタミンC誘導体もしっかりと配合されている
白いオイルということで、オイル成分に着目しがちですが、水溶性の成分にも特徴があります。
その中で最も特徴的なのが、ビタミンC誘導体の配合量です。
全成分表示では、3-O-エチルアスコルビン酸というもので、VCエチルともよく呼ばれます。
VCエチルは美白成分として、医薬部外品の有効成分にも認められています。
ビタミンC誘導体には様々なものがありますが、多くは肌の中の酵素によって純粋なビタミンCに変換されることで、効果を発揮するメカニズムになっています。
ですが、VCエチルはそのままで効果を発揮する成分で、即効性のあるのが特徴の一つとなっています。
また、VCエチルは美白以外にも以下の効果も期待されます。
- コラーゲン合成による抗シワ効果
- 皮脂の過剰分泌抑制
- 抗酸化作用
このように様々な嬉しい効果のあるビタミンC誘導体が、白いオイルではそれなりの配合量が期待できます。
全成分表示の順番や前後の成分から考えて、白いオイルでは1%を超える量である可能性が高いと思います。
化粧品の機能性成分として1%を超えていれば、十分な配合量であると考えられます。
嬉しい効果の多いビタミンC誘導体の配合量は、結構期待できそう。
ピタヤ果実エキスの効果が面白い
白いオイルでは、肌を明るくすると言われるピタヤ果実エキスが配合されています。
ドラゴンフルーツから抽出され、高い高酸化力を持ったエキスです。
とても面白いのが、日光に含まれる紫外線を浴びると青色の光を放つという特徴を持っている点です。
光の色の原理から、ピタヤ果実エキスの青色の光と肌の黄色の光が混ざると、白色に見えるようになります。
この現象を利用して、白く明るい肌色に近づけてくれるわけです。
エキス中の成分が紫外線に反応して発光するため、即効性が期待できます。
他の成分では発揮できない、非常に特徴的な効果ですね。
ピタヤ果実エキスには光感応性あり、肌を白く見せる効果がある。
成分解析まとめ
白いオイルの成分解析をした結果、以下の結論となりました。
2層式のため、界面活性剤の量が必要最低限に抑えられ、また、こだわりのオイルの選定で、安心安全にケアができるアイテムです。
さらに、ビタミンC誘導体やドラゴンフルーツ由来のエキスが白いオイルの魅力を高めてくれています。
総じて水の層とオイルの層、それぞれで特徴的な成分があり、しっかりと考えられた処方になっている印象でした。
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白いオイルの使用感レビュー
では、実際の使用感はどうでしょうか。
使ってレビューします。
よく振ってオイルを白くさせた後、手の甲に出してみます。
粘度は低いので、垂れ落ちないよう注意が必要でした。
これは2層式のデメリットになりますね。
シャバシャバとした性状ですが、伸ばしてみるとオイルの厚みやコクが感じられます。
きれいに乳化している訳ではないので、水とオイルの感触がそのまま伝わってきます。
顔で使った場合、ベルガモットをベースとした精油の香りがほんのりと香ってきます。
強すぎない香調が私は嬉しいです。
馴染ませていてもやはり、水とオイル両方の感触がダイレクトに伝わってきます。
乳液やクリームとは全然違います。
馴染みが進むと、オイルの感触が優位になってきます。
粘度を出す増粘剤が配合されていないので、無駄な馴染みの遅さはなく、すっと素早く馴染んできます。
そして、馴染み際になるとほぼオイルを塗っているような感触になります。
クリームを馴染ませている感触に近づいてきます。
馴染み後はグリセリンなどの保湿剤とオイルが混ざった、しっとりとした膜感が残ります。
オイルによるテカリ感はありませんし、さらっとべたつきは少なく、保湿感は十分に高いと思います。
この保湿力であれば、化粧水の後にこの白いオイルだけでも十分にスキンケアが可能だと思います。
この白いオイルだけで、しっかりと保湿してくれるので、簡単なお手入れでも十分なスキンケアになると思います。
・オイルの感触がしっかりと感じられるが、さらっと仕上がる。
・保湿感が高く、化粧水後はこれ一本でも十分ケアが可能。
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総合評価
白いオイルの成分解析と使用レビューをしてみました。
2層式がとても特徴的ですが、配合している成分にもこだわりが感じられるアイテムでした。
基本的な保湿だけでなく、肌の明るさにもフォーカスしており、1品で乳液、美容液、クリームを兼ねていると言えます。
化粧水の後に、この白いオイルだけでも十分にスキンケアが完了できると思います。
日頃スキンケアに十分な時間が掛けられない方におススメですね。
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そのほかのスキンケアアイテムもレビューしています。
この「【元化粧品開発者視点】いろんなプチプラ基礎化粧品を解析、レビューしてみた」も是非ご覧ください。