【花王キュレルを解説】乾燥性敏感肌向けのこだわりを元開発者視点で分析

※記事内にPR、プロモーションが含まれています。

キュレルアイキャッチ
この記事を書いた人

某化粧品メーカーの元化粧品開発者。
約8年間、基礎化粧品一筋の開発者として多数の化粧品の処方設計に従事。その後転職し、現在は肌に関する研究活動に注力。
化粧品開発者としての知識や経験を基にしたスキンケア情報や、ライフハック的な情報を随時発信。

kazunariをフォローする

「キュレル」というブランドは以前から知っていましたが、その中身については詳しくありませんでした。

ですが、実際に使ったり、成分を調べてみると、思った以上にすごい実力を持っていることが分かりました。

そこで、今回はキュレルについて、元化粧品開発者の視点で調べた内容をまとめてみました。

この記事でキュレルのどんなところが優れているか、がよく分かると思います。

ぜひ最後までご覧ください。

キュレルとは

キュレル全体ライン
引用元:花王

乾燥性敏感肌のために作られたブランド

キュレルは花王のブランドのひとつで、乾燥性敏感肌の方に向けて作られています。

「乾燥性敏感肌」とは、環境(気温・湿度)変化などにより乾燥状態になっていて、外部刺激(気温の変化・乾燥・ダニ・ハウスダスト・雑菌など)に対する感受性が高くなりがちな状態の肌のことです。
そのような状態の肌では、うるおいを保つ機能の低下だけではなく、バリア機能の低下や、外部刺激に対しての敏感さが認められます。

引用元:花王

そして、乾燥性敏感肌をケアするため、守って補う『セラミドケア』にフォーカスしています。

そのセラミドケアには、大きく分けて洗浄保湿の2つの考えがあります。

洗浄によるセラミドケア
引用元:花王

1つは、洗浄時のセラミドの流出を抑える工夫をすることで、セラミドをケアする考えてです。

保湿によるセラミドケア
引用元:花王

もう1つがセラミド機能成分による保湿によって、セラミドケアをします。

kazunari
kazunari

要するにキュレルは、とにかくセラミドに注目した製品設計をしている訳です。

豊富なラインナップ

キュレルにはさまざまな製品ラインナップがあります。

  1. スキンケア・基礎化粧品
  2. ベースメイク
  3. ヘアケア
  4. ボディケア
  5. 日やけ止め
  6. 洗濯・衣類のお手入れ品
kazunari
kazunari

スキンケアが一番メジャーですが、それ以外にもベースメイクやボディケア、洗濯洗剤までそろっています。

また、スキンケアの中にはさらに細かくシリーズが分けられています。

キュレルのシリーズ展開

ただし、すべてのアイテムで4つのシリーズがある訳ではありません。

kazunari
kazunari

乳液にはエイジングケアシリーズが無いですし、クリームは皮脂トラブルケアがありません。

最もオーソドックスなのが潤浸保湿のシリーズで、キュレルと言えばこちらのことを指すことが多いです。

どのシリーズもセラミドケアは可能なので、肌質や肌状態に合わせて好みのものを選べば問題ないです。

kazunari
kazunari

特にこだわりがなければ、スタンダードな潤浸保湿がおススメです。

キュレル最大の特徴成分は疑似セラミド

セラミドイメージ

キュレルの中で最大の特徴と言えば、疑似セラミドによるセラミドケアです。

このセラミドケアについて詳しくお伝えします。

セラミドはスキンケアに有効な成分

セラミドは肌のバリア機能を発揮するために非常に重要な成分です。

セラミドの機能

セラミドは角質細胞の間に存在していて、隙間をびっしりと埋めてくれています。

この隙間を埋めることで、外に水分が逃げるのを防いだり、外部からの異物の侵入を防ぎます。

このようにセラミドは、肌にとって大切な働きをしてくれるため、セラミドケアは非常に有効なスキンケアだと言えます。

kazunari
kazunari

スキンケアの成分の中でも人気が高く、プチプラアイテムからデパコスまで幅広く使われています。

セラミドのデメリットをカバーしたのが疑似セラミド

セラミドケアをするには、セラミドを化粧品に配合すればいいのですが、そこには大きな問題があります。

それはセラミドの原価です。

セラミドはとても高価な成分なので、十分な量のセラミドを配合するのはコスト的にハードルが高いです。

そんなハードルを越えるべく花王で開発されたのが、疑似セラミドです。

疑似セラミドは化学的に合成されたセラミド類似成分で、原価を抑えることに成功しました。

セラミドと疑似セラミドの構造比較
kazunari
kazunari

並べてみるとセラミドと分子構造がよく似ているのが分かりますね。

そして、セラミドに似た構造をしていることから、セラミドと同じような効果も確認されています。

キュレルラインナップ
引用元:Curel

そんな疑似セラミドを豊富に配合しているのが、キュレルのスキンケアアイテムです。

そのため、キュレルは肌にとって大切なセラミドケアをしっかりとできるブランドだと言えます。

疑似セラミドの研究成果

疑似セラミド自体は20年以上前に開発されたものですが、その配合の仕方や効果について研究が続けられています。

その成果として、毎年のようにセラミドに関する論文投稿や学会発表がされています。

kazunari
kazunari

論文は査読がありハードルが高いのですが、掲載数がかなり多く、花王がセラミドにいかに力を入れているかが良く分かります。

疑似セラミドの浸透性
引用元:J. Soc. Cosmet. Chem. Jpn. 53(4): 271─ 277

例えば、疑似セラミドに特定の成分を混ぜることで、角層への浸透性が向上し、肌の保湿機能が改善することが報告されています。

セラミド分子種比率
引用元:花王ニュースリリース

また、疑似セラミドを配合した試験ローションをアトピー性皮膚炎患者に適用すると、健常者のセラミド状態に変わっていくことも確認されています。

敏感肌のセラミドプロファイル
引用元:花王ニュースリリース

さらに最近では、敏感肌とそうでない人の中でも、セラミドの状態が異なることが明らかとなってきています。

kazunari
kazunari

これはアトピー患者を被験者とした試験結果と併せて、疑似セラミドによって、肌のセラミドの状態が変わり、敏感肌を軽減することが期待されます。

このような研究成果がキュレルに活かされ、乾燥性敏感肌の方のQOL向上に貢献していると言えます。

疑似セラミドのおかげでコスパが良い

お伝えしたとおり、この疑似セラミドのおかげで、原価のハードルを下げることに成功しました。

そのため、効果的なセラミドケアができつつも、価格はかなり抑えられています。

キュレル化粧水外箱

例えば、化粧水では2,000円ほどで購入可能ですし、

キュレルクリーム外箱

クリームでも3,000円程度です。

この価格設定はかなり良心的で、コスパはかなり高いと思います。

疑似セラミドの効果や独自性を考えると、もう少し高くても良いのではないかと思うくらいです。

kazunari
kazunari

疑似セラミドのコスト抑制効果をしっかりと消費者に還元していますね。

この効果と価格のバランスがとても良いのがキュレルの特徴で、私がおススメしたい理由でもあります。

キュレルのアイテムはどれがいい?

総合評価
著作者:freepik

キュレルは非常に幅広いアイテムがありますが、その中でも優先的に使うべきアイテムがあります。

クリームイメージ

まず、基本的にキュレルでは乳化系のアイテムを優先的に使っていただきたいです。

乳化系とは
水と油が混ざったもので、外観は白く濁っている。一般的に乳液やクリームなどが乳化系。

なぜ乳化系のアイテムがおススメかというと、乳化系の方が疑似セラミドを多く配合されると考えられるためです。

乳化系はオイルが配合されていて、疑似セラミドはそのオイルにを溶かして配合します。

化粧水イメージ

一方で化粧水のようなアイテムは、疑似セラミドを溶かすオイルがないため、疑似セラミドの配合が困難です。

kazunari
kazunari

オイルが配合されていない化粧水でも、特殊な技術で疑似セラミドを配合されていますが、配合量は限られます。

そのため、オイルを含んでいる乳化系の方が疑似セラミドの配合量が多く、その恩恵を受けやすいです。

memo

疑似セラミドを多く配合しやすい、オイル多めの乳化系がおススメ。

レビューしたキュレルのアイテム

キュレルの使用レビュー

いくつかのキュレルのアイテムは、実際に触って使用感レビューや成分解析をしています。

こちらではそのアイテムたちを紹介します。

キュレルのアイテム選びの参考になれば幸いです。

潤浸保湿 乳液

潤浸保湿 乳液

潤浸保湿シリーズの乳液です。

疑似セラミドをしっかりと配合し、保湿感が高いのにべたつかず、シルキーな仕上がりが特徴的です。

120mLで2,000円台と購入しやすい価格ながら、しっかりとセラミドケアができる乳液です。

キュレルの潤浸保湿 乳液に関しては、
元化粧品開発者が成分解析とレビュー!キュレル 潤浸保湿 乳液で説明しています。

潤浸保湿 美容液

キュレル美容液手にもつ

潤浸保湿シリーズの美容液です。

こちらも疑似セラミドを主役成分として配合され、セラミドケアがしっかりとできるようになっています。

美容液というポジションのためか保湿感は控えめで、後に使う乳液やクリームの邪魔をしない使用感になっています。

こちらも2,000円前後で購入可能なので、現在使われているスキンケアラインにも追加しやすくなっています。

キュレルの潤浸保湿 美容液に関しては、
元化粧品開発者が成分解析とレビュー!キュレル 潤浸保湿 美容液で説明しています。

潤浸保湿 フェイスクリーム

キュレル フェイスクリームを手にもって見せる

潤浸保湿シリーズのクリームで、こちらも疑似セラミドが豊富に配合されています。

特にクリームはスキンケアアイテムの中でもオイルの配合量が多いため、疑似セラミドの配合量も併せて多くなっていると考えられます。

kazunari
kazunari

価格も他のアイテムより少し高めになっていて、疑似セラミドの配合量の多さが反映されているようです。

使用感は保湿感やハリ感がありつつも、シルキーな仕上がりで心地よさが特徴的です。

キュレルの潤浸保湿 フェイスクリームに関しては、
元化粧品開発者が成分解析とレビュー!キュレル 潤浸保湿 フェイスクリームで説明しています。

エイジングケアシリーズ 化粧水

キュレル化粧水手に持つ

エイジングケアシリーズの化粧水です。

化粧水なので乳液やクリームといった乳化系よりは、疑似セラミドの配合量は少ないと思われます。

ただ、保湿剤が豊富に配合されていて、化粧水としての保湿力はしっかりとあります。

セラミドケアの観点では、他のアイテムよりは使う優先度は低めな印象です。

キュレルのエイジングケアシリーズ 化粧水に関しては、
元化粧品開発者が成分解析とレビュー!キュレル エイジングケアシリーズ 化粧水で説明しています。

まとめ:キュレルはセラミドケアの専門アイテム

キュレルライン

キュレルはセラミドケアに特化したブランドであることが、お分かりいただけたのではないでしょうか。

しかも、セラミドの原価が高い問題もクリアし、使いやすい価格になっているのもとても意義があると思います。

乾燥性敏感肌向けのブランドではありますが、実のところ、セラミドケアはどなたにとっても大切なケアです。

そのため、キュレルはどなたにも使っていただきたいブランドだと私は考えています。

より効果的に疑似セラミドをお肌に届けるためにも、ぜひラインで一度使ってみてほしいと思います。

乾燥による肌トラブルを予防し、健やかな肌へ導いてくれる優れたセラミドケアをぜひ一度試してみてください。

タイトルとURLをコピーしました