皆さんは化粧品の成分にこだわりはありますか?
化粧品の成分は本当にたくさんあり、すべてを把握するのは化粧品開発者でも不可能に近いです。
そんな中でも、ぜひ覚えていただきたい化粧品の成分があります。
それが今回解説するナイアシンアミドです。
ナイアシンアミドは、ここ数年で注目を集めている成分です。
多様な効果と、安全性の高さから様々なスキンケアアイテムで使われるようになっています。
この記事ではそんなナイアシンアミドの効果や、おススメの利用方法について、元化粧品開発者の視点で詳しく説明します。
皆さんのアイテム選びの参考になれば幸いです。
ナイアシンアミドとは?
ナイアシンアミドは、別名ビタミンB3とも呼ばれる水溶性ビタミンの一種です。
コーセーが2017年に医薬部外品の抗シワ成分として申請してから、爆発的に化粧品に配合されるようになりました。
非常に使いやすい成分なので、シワ改善効果がある医薬部外品のほとんどにナイアシンアミドが使われています。
後ほど詳しくお伝えしますが、医薬部外品以上にナイアシンアミドを高濃度で配合しているアイテムもあります。
今やコラーゲン、ヒアルロン酸に匹敵するメジャーな美容成分になってきています。
人体に元からある成分で刺激も少ないので、多くの方が安心して使えるのも大きな特徴です。
ナイアシンアミドの肌への効果
では、ナイアシンアミドの美容効果をお伝えします。
ナイアシンアミドには、大きく分けて3つの効果が確認されています。
- コラーゲン産生促進によるシワ改善効果
- メラニン生成抑制による美白効果
- セラミド合成促進による保湿機能改善
それぞれ分かりやすくお伝えします。
コラーゲン産生促進によるシワ改善効果
ナイアシンアミドの最もメジャーな効果にシワ改善があります。
シワの改善には、肌のコラーゲンが重要な成分になってきます。
コラーゲンは肌の真皮に存在し、肌の構造を保つ役割をしています。
コラーゲンの質や量が低下すると、肌の弾力が低下し、変形しても元に戻りにくくなり、最終的にシワになってしまいます。
ナイアシンアミドは、真皮でのコラーゲンの合成を促進する効果が認められているため、このシワ形成を抑制してくれます。
ナイアシンアミドが真皮のコラーゲンの量や質を改善してくれるわけです。
このシワ改善効果は、医薬部外品の有効成分の効果としても認められています。
他のシワ改善成分は、化粧品メーカー独自のものが多いですが、ナイアシンアミドはどのメーカーも使用できるので、非常に多種多様のシワ改善化粧品が販売されています。
シワ改善成分に関して詳しくは、
この「シワ改善成分はどれいい?元化粧品開発者が徹底比較&おすすめ成分指南!」も是非ご覧ください。
メラニン生成抑制による美白効果
ナイアシンアミドは美白効果もあります。
美白の大敵であるメラニンはメラノサイトという細胞で作られ、肌のメインの細胞に送られます。
このメラニンが肌に溜まることで、シミやそばかすに繋がっていきます。
ナイアシンアミドは、このメラノサイトから肌のメインの細胞にメラニンを送る働きを抑えます。
その結果、肌に存在するメラニン量が抑えられ美白効果が発揮される訳です。
この美白効果は、シワ改善効果と同じく医薬部外品の有効成分の効果としても認められています。
そのため、ナイアシンアミドを配合している医薬部外品は、シワ改善と美白のダブル効果を謳っているものも多くあります。
肌悩みの上位に来る二つを一気にケアできるすごい成分なのが分かります。
セラミド合成促進による保湿機能改善
ナイアシンアミドは肌のセラミド合成も促進させ、保湿機能を改善します。
セラミドが肌の細胞の隙間を埋めることで、肌から水分が蒸散するのを防ぎ、保湿機能を発揮します。
そして、ナイアシンアミドは、肌の中でセラミドが作られる時に必要な酵素の力を助けます。
この効果でセラミド量を増やし、肌の保湿機能を改善します。
保湿機能が改善することで、肌荒れを予防したり、皮脂の分泌を抑えてニキビを予防したりと、健やかな肌に導いてくれます。
そのため、保湿機能の改善はシワ改善や美白に比べて地味に思われるかもしれませんが、非常に重要な機能です。
ナイアシンアミドのおススメの取り入れ方
ナイアシンアミドをスキンケアに取り入れる場合、3つのオススメ方法があります。
- 有効成分として配合されている医薬部外品を使う
- 高濃度で配合されている化粧品を使う
- ラインで使う
それぞれを詳しくお伝えします。
有効成分として配合されている医薬部外品を使う
医薬部外品は化粧品と異なり、有効成分を配合しています。
有効成分が荒れ肌予防、シワ改善や美白といった効果を発揮します。
有効成分はその効果を発揮するため、十分な量が配合されています。
一方で、一般的な化粧品の成分は微量でも配合していることが言えてしまうので、十分な量が配合されているか分かりません。
そのため、ナイアシンアミドが有効成分として配合されていれば、その効果が十分期待できます。
ナイアシンアミド配合の医薬部外品は沢山あるので、選択肢は豊富にあります。
高濃度で配合されている化粧品を使う
化粧品の中には、ナイアシンアミドを医薬部外品以上に配合しているものがあります。
例えば、KISOのナイアミドエッセンスはナイアシンアミドを20%配合しています。
医薬部外品では多くても3%程度の濃度のため、その濃度の高さがお分かりいただけるかと思います。
化粧品なのでシワ改善や美白の効果は謳えず、あくまでも整肌成分としての配合です。
注意点としては、配合濃度を明らかにしているものを選んでください。
化粧品の中には、ナイアシンアミドを微量しか配合していないものもあります。
明確にーー%配合と書かれていて、3%以上のものがおススメです。
ラインで使う
ナイアシンアミドをしっかり使いたいのであれば、ラインで使うのもおススメです。
化粧水、乳液、美容液、クリームとすべてにナイアシンアミドが配合されていれば、肌に与えるナイアシンアミドの量も当然多くなります。
お値打ちなラインだと、肌ラボシリーズがおススメです。
ナイアシンアミド以外にこだわりが無いのであれば、こういったプチプラアイテムで十分です。
このラインの中に、ナイアシンアミドが高濃度配合の美容液をプラスオンしてもいいですね。
まとめ:迷ったらナイアシンアミドでOK
ナイアシンアミドは、さまざまな肌悩みに対して効果を発揮する成分です。
そのため、ナイアシンアミドに注目してアイテムを選ぶだけでも、効果的にスキンケアができるようになります。
色々な美容成分がありますが、ナイアシンアミドの名前だけは憶えておいて欲しいです。
安全性の高い成分ですが、念のため敏感肌の方はまず低濃度の製品から試してみてください。
ナイアシンアミドをスキンケアに取り入れて、健やかな肌を手に入れていただけますと幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。