メラノCCの洗顔がとても人気なのをご存知でしょうか。
一時、全然買えなくなるほどでした。
一体なぜこれほどまでの人気が出たのでしょうか?
実際に使ってみると、その人気の理由が確かに感じられました。
今回はこのメラノCC ディープクリア酵素洗顔について、成分解析と使用感レビューをして、この人気の秘密をお伝えしたいと思います。
この記事で、ディープクリア酵素洗顔の成分に詳しくなり、その良さがしっかりと理解できるようになります。
ぜひ最後までご覧ください。
メラノCC ディープクリア酵素洗顔のキホン
ロート製薬から発売されている洗顔料です。
ビタミンCをウリにしているメラノCCシリーズから出ています。
この洗顔料の特徴としては、以下の点です。
・酵素配合。
・ビタミンC配合。
・クレイ成分配合。
これらの成分については、後ほど詳しくお伝えします。
一時期店頭から消え去り、購入も難しいほど人気が出ました。
アットコスメでも、2022年10月現在でランキング2位になっています。
私もかなり探して、ようやく購入することができました。
オープン価格となっていますが、だいたい700円ほどで購入可能です。
プチプラアイテムですが、その成分や使用感はどうでしょうか?
そのあたりを次に詳しくお伝えしていきます。
メラノCC ディープクリア酵素洗顔の成分解析
ディープクリア酵素洗顔の成分解析をしてみます。
全成分は以下の通りです。
グリセリン、水、パルミチン酸、ミリスチン酸、水酸化K、BG、ジグリセリン、ラウリン酸、ステアリン酸、ラウリルグルコシド、アスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、プロテアーゼ、PG、アルギン酸Na、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリクオタニウム-7、カオリン、酸化チタン、水酸化Al、ステアリン酸グリセリル(SE)、BHT、ピロ亜硫酸Na、香料
この中で、気になった点、特徴的な点をピックアップしてみます。
保湿剤が非常に多い
まず、全成分表示を見てすぐに分かるのが、保湿剤の配合量が多いです。
この中で、保湿剤は以下のものです。
グリセリン、BG、ジグリセリン
そして、全成分表示を見ると、グリセリンが一番最初に記載されていますね。
全成分表示は、1%を超える配合量の成分に関しては、配合量順に記載されます。
ですので、この洗顔料はグリセリンが一番多く配合されていることが分かります。
BGとジグリセリンも割と前方に記載されているので、保湿剤の配合量は全体的に多いと思います。
洗顔料に保湿剤が入ることで、
うるおいを肌にとどめ、洗顔後に乾燥しにくくする。
というメリットがあります。
一方で、保湿剤が大量に入ることで、洗顔クリームとしての安定性が損なわれる可能性もあります。
それをちゃんと安定な製品として販売できるのは、さまざまな成分が絶妙なバランスで配合されているためです。
洗顔クリームは、ちょっとしたバランスを変えるだけで、安定性が大きく変わってしまいます。
この点に関しては、ロートの技術力の高さが感じられます。
プロテアーゼの活性は未知数
プロテアーゼの活性(効果)は良く分からないのが、正直なところです。
タンパク質を分解する酵素。
タンパク質を細かく切断することで、洗い落ちやすくする働きがある。
プロテアーゼは水があると、その効果が失われる性質があります。
なので、酵素配合の洗顔は水を含まない粉状のものが一般的です。
ですが、メラノCC ディープクリア酵素洗顔では、水を配合しながらもプロテアーゼの効果が保たれる工夫がされています。
それが、先ほどお伝えした保湿剤を多量に配合する方法です。
全成分表示で水よりもグリセリンが先に記載されているのが、キモになります。
水を極力減らして、保湿剤を多く配合することで、プロテアーゼの効果が保たれるようです。
ですが、それがどの程度の効果があるのかは不明です。
ちょっとでもプロテアーゼの効果が保たれれば、効果ありと書けてしまいますからね。
アットコスメでは、この効果に関して特許を出願していると記載があったので、J-PlatPatでその特許を探してみましたが、見つけられませんでした。
そのため、実際のプロテアーゼの効果は良く分かりませんでした。
水の配合を減らしてはいますが、2番目に多い成分なので、それなりに失活してると考えられます。あまり期待しすぎてはいけないと個人的には思っています。
ビタミンCの効果は期待できない
プロテアーゼの効果は分からないとお伝えしましたが、ビタミンCの効果はほぼ無いと思います。
ビタミンCは全成分表示では、
アスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸
この2種類が該当します。
これらは、肌の内部に浸透することで、美白や整肌の効果を発揮します。
ですが、洗顔料のような洗い流すものでは、ほとんど浸透せず洗浄成分と一緒に洗い流されてしまいます。
そのため、メラノCCシリーズの洗顔料ですが、ビタミンCは訴求成分にすぎず、効果は期待できません。
訴求成分に関して詳しくは、
この「化粧品の訴求成分とは?元化粧品開発者が徹底解説」も是非ご覧ください。
その他の特徴的な成分
その他に、ディープクリア酵素洗顔で特徴的な成分を挙げてみました。
それが以下の2つの成分です。
- ポリクオタニウム-7
- カオリン
それぞれについて詳しくお伝えします。
ポリクオタニウム-7
ひとつめの特徴的な成分が、ポリクオタニウム-7です。
ざっくりと以下の特徴があります。
・石鹼成分と合体して、うるおいの膜を作る。
・肌をすべすべな感触にしてくれる。
ポリクオタニウム-7を簡単に説明すると、プラスのイオンをたくさん持っている大きな分子(ポリマー)のことです。
プラスのイオンをたくさん持っているので、マイナスのイオンを持つ分子とくっつく性質があります。
マイナスのイオンを持つ分子というのは、パルミチン酸やミリスチン酸といった石鹸成分です。
このプラスのポリクオタニウム-7とマイナスの石鹸成分が合体した複合成分は、肌の上に残りやすい性質があります。
すると、肌にうるおいの膜の様なものを作り、肌の乾燥を防いでくれます。
また、ポリクオタニウム-7にはコンディショニング効果もあるので、すべすべな感触にもしてくれます。
そのため、洗いあがりの感触はポリクオタニウム-7のおかげで、しっとりすべすべな感触にしてくれます。
この技術はライオンのボディソープhadakaraでも活用されています。
論文もありますので、より詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。
この論文ではポリクオタニウム-6が主役ですが、ポリクオタニウム-7も出てきます。
カオリン
もう一つがカオリンです。
カオリンは簡単に言ってしまえば、粘土の成分の一種で、クレイ成分と呼ばれます。
泥パックにも使われる成分です。
カオリンは粉状ですが、その表面には小さな穴がたくさん開いています(多孔質といいます)。
そのたくさんの穴が、汚れや皮脂が吸い取ってくれます。
ですので、洗顔料に入っていると、石鹸成分の汚れ落ちをサポートしてくれます。
界面活性剤と異なり、肌への刺激もないので、優しく汚れを落としくれます。
解析まとめ
ディープクリア酵素洗顔の成分の特徴は以下の通りです。
・プロテアーゼの効果は微妙で、ビタミンCの効果はほぼ無い。
・ポリクオタニウム-7とカオリンが、良好な洗いあがりにしてくれる。
基本的な石鹼成分(脂肪酸)の組み合わせは、オーソドックスですが、やはり保湿剤の大量配合がすごいです。
この大量の保湿剤+ポリクオタニウム-7やカオリンの組み合わせが、洗いあがりを非常に良くしてくれます。
プロテアーゼやビタミンCの効果はあまり期待できませんが、そのほかの成分がしっかりと考えられた内容だと思います。
メラノCC ディープクリア酵素洗顔の使用感レビューと効果
では、実際に使ってレビューしてみます。
泡立ててみた
適当な量を出してみます。
結構、柔らかめなクリームです。
柔らかいのでノビが良いいですね。
柔らかいと水馴染みが良くなり、泡立てもしやすくなります。
手で泡立ててみました。
ちょっと泡立ては苦手なのですが、そんな私でも割と簡単に泡立てられました。
起泡力はかなりありますね。
できた泡は流行りの濃密なもっちりフワフワ、というよりは軽めの感触です。
カスカスというほどではなく、洗顔するには十分な弾力はあります。
洗顔ネットを使えばもっと濃密な泡になります。
洗顔してみた
洗顔してみると、柑橘系の香りがふわっと香ってきます。
甘酸っぱく、さっぱりとした香調で、あまり好き嫌いが分かれない万人受けする香りだと思います。
泡の弾力は控えめですが、洗顔する分には特にストレスなく洗えました。
一番お伝えしたいと思ったのが、洗いあがりの感触です。
洗いあがりは、さっぱりと変なあと残り感が無く、しっとり感とツルっとした感触がある。
この洗いあがり感が、めちゃくちゃ良いです!!
一般的な洗顔料では、金属せっけんが肌に残り、特有のストップ感やツッパリ感が出ます。
洗浄料の脂肪酸(洗浄成分)と水道水のカルシウムやマグネシウムなどの金属が結合し、水に溶けにくくなったもの。肌の上に残りやすい性質がある。
ディープクリア酵素洗顔でも、おそらく金属せっけんはできていますが、それを感じさせない洗いあがりの良さがあります。
金属せっけん由来のツッパリ感を一切感じさせません。
おそらくポリクオタニウム-7から成る複合成分が、しっかりと金属せっけんの不快な感触を消してくれていると思います。
また、皮脂や汚れ落ちも良く、洗浄力はしっかりあるのですが、しっとり感もちゃんとあります。
これは、カオリンとグリセリンなどの多量の保湿剤が効いているようです。
カオリンが皮脂や汚れをしっかりと吸着してくれて、保湿剤がうるおいを逃さないよう働いてくれています。
ですので、洗浄力と保湿力を両立できるわけです。
洗いあがりは本当にいいですね。
使用感まとめ
・とにかく洗いあがりが良い!!
・しっとり、ツルっとした感触に仕上がる。
このディープクリア酵素洗顔の一番の特徴は、とにかく洗いあがりの良さですね。
さっぱり、しっとり、ツルツルな感触になるので、洗顔するのが楽しくなります。
柔らかいクリームなので、水馴染みも良く泡立てがラクなので、時間のない朝でもサッと洗えるのも良いですね。
1,000円以下の洗顔料の中では、ぶっちぎりの良さだと思います。
人気が出るのも当然の良さですね。
使えば一発で違いを感じられると思いますよ。
結論
人気のディープクリア酵素洗顔の成分解析とレビューをしてみました。
多量の保湿剤を始め、特徴的な成分がいくつか配合されていて、それらが非常にうまく効果を発揮しています。
特に洗いあがりの仕上がり感は、これまで私が使ってきた洗顔料の中でも1,2を争う良さでした。
私も既に二本目を購入しています。
プチプラアイテムなので、ぜひ気軽にこの良さを体感していただきたいと思いました。
こんなにいい洗顔がプチプラで手に入るなら、高級な洗顔料は必要ないと思えてきます。
この記事が皆さんの参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
そのほかのスキンケアアイテムもレビューしています。
この「【元化粧品開発者視点】いろんなプチプラ基礎化粧品を解析、レビューしてみた」も是非ご覧ください。