今回は高濃度ビタミンC配合の美容液について、成分解析と使用レビューをします。
それが、こちらのCOSRX ザ ビタミンC23 セラムです。
ビタミンCがかなり大量に配合されながら、リーズナブルな価格の韓国コスメで、とても人気が出ているようです。
ただ、購入前に配合成分や使用感に関して、より詳しく知りたいと思われる方は、少なくないかと思います。
そこで、この美容液の配合成分の解析や使用レビューを通じて、真の実力を調べてみました。
この記事で、COSRX ザ ビタミンC23 セラムの特徴が良く分かると思いますので、最後までご覧ください。
COSRX ザ ビタミンC23 セラムの特長
まずは基本情報や特徴をお伝えします。
ビタミンCが主役の高コスパ美容液
ビタミンCを前面に押し出した美容液です。
COSRX ザ ビタミンC23 セラムの一番の特徴は、名前からもわかり通り、23%という高配合のビタミンCです。
それでいて、価格は20mL、2,300円(Amazon参照)とかなりリーズナブルに設定されています。
同じようなコンセプトのオバジでは、
- ビタミンC25%配合のオバジ C25 セラムネオが12mL、11,000円
- ビタミンC20%配合のオバジ C20セラムが15mL、8,800円
とかなり高価な設定となっているため、いかにCOSRXの美容液がリーズナブルかが分かります。
この手ごろな価格設定のおかげか、Qoo10や楽天市場など様々な販売サイトでランクインしています。
ビタミンC高配合美容液としては、破格の価格設定ですね。
人気が出るのも納得です。
ビタミンCの酸化を防ぐ工夫あり
酸化安定性の低いビタミンCを高配合していることもあり、いくつかの工夫が見られます。
まず、保存場所は冷蔵保存を推奨されています。
温度が低い方が酸化分解は遅くなるので、冷蔵保存することで安定性が高まります。
さらに、酸化防止目的で、少量のオイル成分が配合されています。
オイルは水より軽く、水の上に浮いてくるので、ビタミンCが溶けている水性成分がオイルの膜に守られ、空気に直接触れないようになっています。
光も大敵ですので、容器は当然遮光されていて、使用時はスポイトを使います。
スポイト付きのキャップを閉める時には、カチッとしまるので、密閉しやすい工夫もされています。
ビタミンCの安定性にはかなり気を遣っているのです。
COSRX ザ ビタミンC23 セラムの成分解析
COSRX ザ ビタミンC23 セラムの成分解析をします。
ですが、まずその全成分表示がちょっとやばいです。
こちらはQoo10公式の全成分表示ですが、正しい英語の成分名(INCI名)を日本語に訳して載せてあります。
この日本語訳がかなり怪しいです。
例えば、
- 正しくはヒアルロン酸Naなのに、訳はソジウムハイアルロネート
- 正しくはパーム油なのに、訳がオイルファームオイル
- 正しくはサフラワー油なのに、訳が一花のオイル
といった感じで、かなりめちゃくちゃです。
他のブログ記事などで、そのまま載せている方も見えますが、おかしいと思わなかったのか疑問です。
ですので、INCI名から訳し直しました。
結構面倒でしたが、おそらくこちらが正しいと思います。
水、アスコルビン酸、プロパンジオール、ジメチコン、トロメタミン、パンテノール、3-O-エチルアスコルビン酸、スクワラン、カフェイン、塩化Na、ヒアルロン酸Na、硫酸Na、EDTA-2Na、グルタチオン、アデノシン、アセチルグルコサミン、クチナシ果実エキス、アラントイン、デキストリン、トコトリエノール、トコフェロール、パーム油、BG、アルギニン、ナイアシンアミド、ペンチレングリコール、変性アルコール、ヒマワリ種子油、カンゾウ根エキス、メチルトリメチコン、サフラワー油、ツバキ種子油、ニンジン根エキス、β-カロチン
こちらの訳し直した全成分表示で、解析を行っていきます。
やっぱりメインはビタミンC
やはりこの美容液の主役はビタミンCです。
全成分表示名称では、水の次に記載されているアスコルビン酸です。
ビタミンCの効果は、
- 美白
- ターンオーバー促進
- 抗酸化
- コラーゲン合成促進
など様々あり、肌にとても良い成分です。
ビタミンCは私も大好きな成分のひとつです。
また、ビタミンCには大きく分けると純粋なビタミンCと、ビタミンC誘導体の2種類あります。
純粋なビタミンCはそのまま効果を発揮してくれますが、安定性が低く、分解速度が速いです。
一方で、ビタミンC誘導体は安定性が向上していますが、一度肌の中で純粋なビタミンCに変換されてから効果を発揮します。
そのため、肌への効果を追求するなら、安定性のデメリットがありますが、やはり純粋なビタミンCが有効です。
では、COSRX ザ ビタミンC23 セラムにはどちらのビタミンCが配合されているのでしょうか。
実は、この美容液にはどちらのビタミンCも配合されています。
全成分表示では、
- 純粋なビタミンCはアスコルビン酸
- ビタミンC誘導体は3-O-エチルアスコルビン酸
かなりビタミンCに欲張りな美容液ですね。
ただ、配合量で考えると、純粋なビタミンCは23%、ビタミンC誘導体はおそらく1%以下です。
この美容液のメインは、やっぱり純粋なビタミンCです。
そのため、先ほどもお伝えした通り、分解を防ぐために冷蔵庫での保存が推奨されています。
冷蔵庫保存は確実に守った方がいいと思います。
そして、何よりビタミンCの23%はとにかくすごい配合量です。
10%でもかなり多い方なので、23%は相当攻めています。
単純に配合量が多いほど、効果の期待度も高まるので、ビタミンCでスキンケアしたい方にとってはありがたい美容液です。
ただ、ビタミンCは入れすぎるとべたつきなどの悪いテクスチャーが出てきます。
そのため、使用感を良くするために、シリコーン油のジメチコンやメチルトリメチコン、オイルのスクワランが配合されていると思われます。
これらをうまく組み合わせることで、適度な油膜がビタミンCのべたつきを打ち消してくれます。
・ビタミンCの配合量がとにかくすごい。
・シリコーンやオイルでテクスチャーを改善している。
酸化防止目的以外のオイルも配合されている
この美容液は酸化防止目的で、少量のオイルが膜を作り、ビタミンCの酸化を遅らせています。
界面活性剤が配合されていないので、水となじまず、油膜ができる訳です。
ただ、実はオイルは結構いろいろと配合されています。
COSRX ザ ビタミンC23 セラムの油成分は以下の通りです。
- ジメチコン
- スクワラン
- トコトリエノール
- パーム油
- ヒマワリ種子油
- メチルトリメチコン
- サフラワー油
- ツバキ種子油
いろいろなオイルがありますね。
オイルの膜で酸化を遅らせる目的であれば、ここまで配合する必要はないです。
先ほどお伝えした通り、高濃度のビタミンCはべたつきなどのテクスチャーの悪化を引き起こすので、使用感の改善目的もあると思います。
とくに、ジメチコンやメチルトリメチコンといったシリコーン油は、さらさらとした感触で、べたつき抑制にぴったりです。
そのため、オイル成分は酸化防止だけでなく、感触改善の目的で配合されていると考えられます。
ただ、オイルは水になじまないので、美容液に均一に配合されている状態ではないので、使う時もいつも同じ量のオイルになっているかは疑問です。
スポイトは瓶の底から、美容液を吸い上げるので、スポイト内はビタミンCが溶けた水性成分で満たされているはずです。
そして、スポイトを引き上げるときには、スポイトの周りに液面の少量のオイルがくっついてくると思われます。
そのため、スポイトで吸い上げた水溶性成分と、スポイトのまわりについたオイル成分が、肌に乗せるときに混ざっていると考えられます。
とてもざっくりとした、オイルの使用方法ですが、その効果はどうでしょうか。
後ほどの使用レビューで、お伝えしたいと思います。
オイル成分がいろいろと配合され、酸化防止以外にもテクスチャー改善目的も兼ねていると思われる。
成分解析まとめ
COSRX ザ ビタミンC23 セラムの成分解析をした結果、以下の結論となりました。
やはり23%のビタミンC配合はすごいと思います。
ビタミンCの酸化されやすさや、テクスチャーの悪化のデメリットは、オイル成分でうまくカバーしている印象です。
日本語の全成分表示はかなりいい加減で、正直ちょっと怪しさを感じましたが、いろいろと考えて作られていると感じました。
COSRX ザ ビタミンC23 セラムの使用感レビュー
では、実際の使用感はどうでしょうか。
使ってみてレビューをしてみます。
塗り伸ばしている時は、ぬるぬるとした感触で伸びていきます。
このぬるぬる感は、一般的な増粘剤のテクスチャーとも異なり独特です。
大量のビタミンCの感触が強く表れているためと思われます。
ぬるぬる感は割と続き、なじみはちょっと遅めな印象です。
なじんでくると、べたつきはほとんど感じません。
ただ、なじみとともにきしみ感が結構出てきます。
なじみ直後が最もきしみ感を強く感じます。
どうしても大量のビタミンC由来の使用感が、出てしまっています。
裏を返せば、やりちゃんとビタミンCが大量に配合されていることが、使用感からも分かります。
香りは少し生臭さが感じられますが、気になるほどではありませんでした。
保湿感はほとんど感じられません。
このようにお伝えすると、全体的にあまり良い使用感ではない、と思われそうですね。
ですが、ビタミンCを23%も配合していて、これくらいに抑えられていたら上出来だと思いました。
何も考えずにビタミンCを大量に配合していたら、もっと使用感は悪くなってしまいます。
オイルなどを駆使して、ビタミンCの悪いところをうまく消していると思います。
また、保湿感はありませんが、そもそもこの美容液の目的はビタミンCを大量に肌に与えることなので、保湿は他のアイテムに任せればいいです。
ですので、ビタミンCを大量に配合しているアイテムとしては、全然問題のない使用感です。
ビタミンCを大量に配合しながら、うまく使用感を整えている。
総合評価
COSRX ザ ビタミンC23 セラムの成分解析と使用レビューをしてみました。
・ビタミンCがとにかく高配合。
・ビタミンCの安定化が図られている。
・コスパが良い。
やはりビタミンCを23%も配合しながら、2,000円程度のプチプラはとにかく驚きです。
ビタミンC自体がとても肌にいい成分なので、この高配合は非常に魅力的です。
ビタミンCが分解しやすいですが、油膜の工夫や保存方法、容器の工夫などで、安定化を図られているのも良い点です。
日本語の全成分表示が若干怪しいので、不安はありますが、このコスパはその不安を払拭するレベルです。
使用感もビタミンCを大量に配合しながらも、そこまで悪くはないので、無理なく使い続けられると思います。
・独特な香りが人によっては苦手かもしれない。
口コミでも多く見られましたが、独特の香りがあるので、人によっては苦手と感じるかもしれません。
よくツナ缶という表現を見かけました。
私はそこまで気にはなりませんでした。
総合的な評価としては、ビタミンCのケアをしてみたい、という方や、オバジはちょっと高くて手が出せない、という方にピッタリなアイテムだと思います。
プチプラなので、気軽に試してみてはいかがでしょうか。
そのほかのスキンケアアイテムもレビューしています。
この「【元化粧品開発者視点】いろんなプチプラ基礎化粧品を解析、レビューしてみた」も是非ご覧ください。