元化粧品開発者が3つのエスト ザ ローション EXの違いを徹底解説

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この記事を書いた人

某化粧品メーカーの元化粧品開発者。
約8年間、基礎化粧品一筋の開発者として多数の化粧品の処方設計に従事。その後転職し、現在は肌に関する研究活動に注力。
化粧品開発者としての知識や経験を基にしたスキンケア情報や、ライフハック的な情報を随時発信。

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花王のプレステージブランド「est(エスト)」のベーシックラインが、2025年10月にリニューアルされました。

“新・砂漠スキンケア”という発想を基に、ローション(化粧水)とエマルジョン(乳液)が発売されます。

非常に期待感の高いアイテムたちですが、それぞれ特徴の異なる3種類が同時に発売しています。

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ローションはK、S、T。エマルジョンはM、B、L、とアルファベットで区別されています。

そうすると、それぞれの違いやどれを買えばいいか分からない、という方が必ずいると思います。

そこで、今回は3種類のローションの違いを、元化粧品開発者の視点で解説していきます。

この記事で、どのアイテムが自分にピッタリか分かると思うので、ぜひ最後までご覧ください。

3種類の基本スペックを比較

引用元:est

エスト ザ ローション EXは3種類ありますが、まずは共通点をお伝えします。

  1. 価格:140mL 6,930円(税込)
  2. 独自開発成分 エクトビオシス配合
  3. 高純度植物エキスを含む複合保湿成分配合
  4. なめらかなとろみで、みずみずしくなじみのよい使用感
  5. アクアティックフローラルの香り

価格に違いはなく、花王独自の成分が共通で配合されています。

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高純度植物エキスは植物工場内の”est Plant”で、独自の方法で精製されたものを使っています。

次に商品特徴の違いをまとめてみました。

商品名分類特徴成分目指す肌質
ザ ローション EX K化粧品精製ローズマリー複合エキス潤ってキメの整ったハリ肌
ザ ローション EX S医薬部外品精製セージ複合エキス潤って明るいハリ肌
ザ ローション EX T化粧品精製カミツレ複合エキス潤ってもっちりとしたハリ肌

それぞれ、化粧品と医薬部外品で分かれていたり、高純度植物エキスの種類が異なっているのが分かります。

それによって、目指す肌質も変わってきています。

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ただ、これでもまだちょっと違いは分かりにくいので、さらに細かく配合成分をチェックしていきましょう。

配合成分の違いとは

estローションK

では、詳しく配合成分を見て、それぞれのローションの違いを明らかにしていきます。

エストローション成分表

まず、3種類のローションの全成分を並べてみました。

この情報を基にそれぞれの違いについて、見ていきたいと思います。

基本的にはかなり似た構成になっている

エストローション成分の類似性

※pH調整剤などスキンケア効果にあまり関係ない成分は省略してあります。

どのローションにも配合されている成分を赤字にしましたが、ほとんどが赤字が並んでいます。

基本的な成分構成は、かなり似ているということが分かります。

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Sは医薬部外品なので、同じ成分でも名前が違うものがあります。

このローションの最大の特徴であるエクトビオシスや、それ以外の保湿剤もすべてのローションにしっかりと配合されているので、どれも保湿力は相当高いことが分かります。

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エクトビオシスはエクトイン、コハク酸ジグリコールグアニジン、トレハロース、グリセリンの混合物で、どれも高い保湿効果を持っています。

砂漠スキンケア
引用元:est

“砂漠スキンケア”と言うだけあって、保湿力には相当こだわっていることが分かります。

植物エキスでコンセプトが変わっている

ローズマリー抽出液
引用元:花王ニュースリリース

基本的な成分はかなり似ているとお伝えしましたが、ウリとしている植物エキスの複合成分は、それぞれ異なります。

商品名植物エキスの複合成分名配合されている植物エキス植物エキスで
確認されている効果
ザ ローション EX K精製ローズマリー複合エキスローズマリー葉エキス角化の健全化
ザ ローション EX S精製セージ複合エキスセージエキス
ローマカミツレエキス
チョウジ抽出液
キキョウ根エキス
抗酸化
ザ ローション EX T精製カミツレ複合エキスローマカミツレエキス
ゲンノショウコ花/葉/茎エキス
チョウジエキス
抗糖化

これらの違いによって、それぞれのローションのコンセプトを分けています。

それぞれのコンセプトを簡単にお伝えすると、以下のとおりです。

  1. 角化の健全化(K):肌の一番外側にある角層の質を良くする。
  2. 抗酸化(S):肌トラブルの原因になる酸化を抑制する。
  3. 抗糖化(T):シワやたるみの原因になる糖化を抑制する。
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店頭販売では、肌診断をしてどのコンセプトが合っているかを教えてくれます。

店頭販売では、肌診断をしてどのコンセプトが合っているかを教えてくれます。

ただ、重複するエキスがあったり、各コンセプトがそこまで明確に分けられないので、あまり神経質になる必要はないと思います。

植物エキス以外も違いがある

アラントインイメージ

植物エキス以外の成分に着目すると、成分の種類と配合量に違いが見られます。

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3種類の中では、Kが一番ベーシックなので、Kを基準にしてお伝えします。

成分の種類を見ると、Kが一番ベーシックで、そこに特徴的な成分がそれぞれ追加されている感じです。

商品名追加成分特徴
ザ ローション EX Kなし一番ベーシックな構成
ザ ローション EX SL-アスコルビン酸 2-グルコシド有効成分として配合され、美白効果がある
ザ ローション EX Tアミジノプロリン保湿力が高く、小じわの改善効果も認められている

Kに対して、SとTそれぞれに美白成分や、花王がよく使っている特殊な保湿剤が加わってます。

また、成分の配合量に着目すると、同じ保湿剤でも並び順が違ったりしていて、保湿力に違いが見られます。

商品名保湿剤の内容保湿力
ザ ローション EX K一番ベーシックな構成。
ザ ローション EX S一部の保湿剤の配合量が減って、保湿力はKやTと比べて控えめ。
ザ ローション EX Tアミジノプロリン追加の代わりに、グリセリンが減らされている。

Sは他の2種と違って、保湿力の高いジグリセリンやエクトインが減らされているので、少し保湿力は控えめのようです。

KとTは似ていますが、グリセリンの量やアミジノプロリンの有無に差があり、Kが一番保湿力が高くなっていると思います。

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Tはアミジノプロリンが追加されていますが、グリセリンが減っているので、トータルでは保湿力を少し抑えて、べたつきを出にくくしている設計になっていると考えられました。

まとめ:配合成分のちがい

3種類のローションの違いをまとめると以下の様になります。

エストローションの違いまとめ

骨格成分はかなり一緒で、基本的に保湿力がかなり高いローションになっています。

その中でも、植物エキスなどで構成されている複合成分が違いのひとつです。

あとは、美白成分が入っていたり、保湿剤の種類や量が変わっていて保湿力にも違いがあります。

kazunari
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共通して配合されている保湿剤が優秀なので、Sでも十分な保湿力はあると思います。

結局どれがおススメ?

estブランドイメージ
引用元:est

主に配合成分に着目して3つのローションの違いを見てきました。

その結果を基に、簡単にどれを選んだらいいかをまとめてみました。

  1. 迷ったらスタンダードで高保湿なK
  2. 美白効果による肌の明るさが欲しいならS
  3. 保湿もしたいけど、べたつきが気になるならT

3種類とも保湿力は高く、どれを使っても満足度の高いスキンケアができます。

その中でも保湿力重視ならK、美白を重視するならS、べたつきを抑えたいならT、といった選び方が分かりやすいと思います。

kazunari
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まずは、Kでエストの高機能な保湿力を堪能してはいかがでしょうか。

まとめ:3種類のローションの特徴

estローションとパッケージ

3つのローションの特徴を簡単にまとめました。

商品名それぞれのローションの特徴
ザ ローション EX K一番ベーシックな構成で、保湿力は一番高いと思われる。
ザ ローション EX S医薬部外品で美白効果あり。ただ、保湿力は控えめ。
ザ ローション EX Tべたつきなどの不快なテクスチャーを抑えつつ、保湿力をキープ。

個人的にはベーシックでしっかりと保湿できる、Kがおススメです。

あとは、ご自身の肌状態や肌悩みなどを加味しつつ、楽しみながら選んでいただきたいです。

この記事が皆さんのローション選びに少しでも役に立てれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

いろいろなスキンケアアイテムのレビューもしているので、良かったらこちらもご覧ください。

いろいろなスキンケアアイテムのレビューは、
この「【元化粧品開発者視点】いろんなプチプラ基礎化粧品を解析、レビューしてみた」をご覧ください。

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