スキンケアで保湿が大事だということは、多くの方がご存じかと思います。
実際、肌が乾燥してしまうと、
かさつき、赤み、かゆみ、柔軟性の低下、バリア機能の低下など
様々な悪影響が出てしまします。
この乾燥状態を防ぐために、皆さんは一生懸命に保湿を頑張っている訳ですね。
ですが、実際にはこの”保湿”を勘違いしてケアされている方が結構いるようです。
そこで今回はスキンケアのキホンである、保湿について少し詳しくお伝えしたいと思います。
この記事で、保湿の意味ををしっかりと理解して、より適切なスキンケアができるようになります。
最後までご覧ください。
保湿にはいろいろな意味が含まれている
保湿と言っても実は大きく分けて2つの意味があります。
それが、
- うるおいを与える保湿
- うるおいを守る保湿
この2つです。
それぞれの保湿についてもう少し詳しくお伝えします。
うるおいを与える保湿
うるおいを与える保湿とは、肌の水分量を増やすことを言います。
肌の水分量が増えると、肌は柔軟になり、肌表面もなめらかになります。
さらに、肌に存在する酵素も正常に働き、肌を健康な状態に保ちます。
そのため、肌にうるおいを与える保湿は、スキンケアにおいて重要だと言えます。
うるおいを守る保湿
一方で、うるおいを守る保湿は、肌からの水分の蒸散を抑制することを言います。
肌からは常に微量の水分が蒸散しているため、この蒸散量を抑えることで肌のうるおいを保ちます。
水分の蒸散量が多いと、肌は乾燥しやすくなってしまうため、うるおいを守る保湿も、スキンケアにおいて重要だと言えます。
保湿はうるおいを与える、守るどちらも重要
保湿にはうるおいを与えると、うるおいを守る、2つの意味があることをお伝えしました。
どちらも非常に重要ですが、結局はどちらかがおろそかになると、しっかりと保湿が出来ているとは言えません。
うるおいを与えてもそれを守れないと乾燥してしまいますし、うるおいが少ないのに守りを固めても意味がないのは、想像しやすいかと思います。
そのため、スキンケアで適切な保湿を行うには、”うるおいを与えて、守る”両方を意識する必要があります。
保湿効果を持つ成分は主に2つある
保湿をするには「うるおいを与える」と「うるおいを守る」の2つを意識することが大事だとお伝えしました。
次に、その2つの保湿の役割りを担う成分について、簡単にお伝えしたいと思います。
成分ごとの役割りを知っていると、賢くスキンケアアイテムを選ぶことが出来ます。
うるおいを与えるのは水に溶ける成分
まず、うるおいを与える役割りをするのは、主に水に溶ける保湿剤です。
代表的な成分はグリセリンやBGが挙げられ、多価アルコールやポリオールとも呼ばれます。
多価アルコールは、ほとんどのスキンケアアイテムに配合されている超メジャーな成分です。
この多価アルコールは、水を抱え込む力を持っています。
そのため、肌の中で水分とともに留まり、肌を保湿してくれるわけです。
多価アルコールに関して詳しくは、
この「【元化粧品開発者が解説】化粧品の保湿成分とは?-多価アルコール編-」も是非ご覧ください。
うるおいを守るのは水に溶けないオイル
一方で、うるおいを守ってくれる役割をするのは、水に溶けないオイル(油の成分)です。
オイルは肌の上に膜を作り、肌内部からの水分蒸散を抑制します。
皮脂も同じ働きをしますが、洗顔後は皮脂が無くなってしまうので、スキンケアでオイルを補ってあげる必要があります。
オイルにはオリーブオイルの様な液状のものから、シアバターのようなペースト状、ワックスのような固形状と様々あります。
ですが、どれも基本的には水分の蒸散を防ぐ役割をしてくれます。
化粧品のオイルに関して詳しくは、
この「【元化粧品開発者が解説】化粧品の保湿成分とは?-オイル編-」も是非ご覧ください。
アイテムごとに保湿効果も違う
成分によって保湿効果が異なるので、配合成分が異なるアイテムも当然、その保湿効果が変わってきます。
化粧水とクリームでは、配合成分が全然違うので、保湿効果が変わるのはイメージしやすいと思います。
化粧水はうるおいを与える
化粧水はその大部分が水で、そこに水溶性の保湿剤(多価アルコール)が配合された構成になっています。
そのため、うるおいを与えるのが得意です。
一方で、一般的な化粧水にはオイルは配合されていないので、うるおいを守ることはできません。
オイル配合の化粧水もありますが、配合量が多くないので、うるおいを守る力はあまりありません。
クリームはうるおいを守る
クリームはオイルをたっぷりと配合しているため、うるおいを守るのが得意です。
実は、オイルだけでなく、化粧水に配合されるような水溶性の保湿剤も配合されています。
ですが、化粧水と比べるとそもそもの使用量が少ないので、うるおいを与えるのは苦手です。
乳液はうるおいを少し与え、少し守る
乳液は化粧水の様に水溶性の保湿剤を配合していますし、クリームの様にオイルも配合されています。
そのため、うるおいを与えることができますし、守ることもできます。
化粧水とクリームを足して2で割ったような構成です。
ただ、化粧水より使用量が少ないため、うるおいを与える力は化粧水ほどではありません。
また、オイルの配合量はクリームほどではないため、うるおいを守る力はクリームほどではありません。
ですので、乳液はうるおいを少し与えて、少し守る役割りをしてくれます。
美容液はものによって保湿効果が変わる
美容液はエッセンスやクリーム等、いろいろなタイプがあり、それによって保湿効果は変わってきます。
ただ、基本的に水溶性の保湿剤はどの美容液にも配合されているので、うるおいを与える効果はあります。
美容液のタイプで違ってくるのは”オイルによるうるおいを守る力”です。
美容液によって、オイルの配合量はかなり異なります。
例えば、エッセンスタイプのような透明な美容液は、オイルを配合していません。
一方で、乳液の様に白濁している美容液には、オイルが配合されています。
白濁具合でオイルの配合が分かります。
半透明なものは、オイル配合ですが、配合量は少ないです。
そのため、どのような保湿を求めるかによって、選ぶべき美容液が変わってきます。
肌にうるおいをさらに与えたい場合は、透明な美容液が適しています。
うるおいを与えるだけでなく、守ることも重視したい場合は、白濁した美容液が適しています。
だったら、うるおいを与えることも、守ることもできる白濁タイプでいいじゃん
と思われる方もいるかもしれません。
ですが、美容液の後にオイルが多いアイテムを使う場合、美容液にもオイルが配合されていると、オイルが多すぎて、べたつきやすくなります。
ですので、スキンケア全体のバランスを考慮して、美容液の保湿力は調節していただくのが良いです。
各アイテムの保湿力のまとめ
それぞれのアイテムの保湿力には得意不得意があります。
まとめると以下の様になります。
・乳液は保湿剤もオイルも配合。塗布量が多くないので、ほどほどにうるおいを与えて、守る。
・クリームはオイルがたっぷりで、うるおいを守るのが得意。
・美容液はいろんなタイプがあり、オイルの有無で保湿力が変わってくる。
結論:ちゃんとした保湿は、アイテムのバランスが大事
これまでお伝えしたように、保湿には大きく2種類あり、アイテムによって得意不得意もあります。
そのため、しっかりと保湿するには、うるおいを与えるアイテムと守るアイテムをバランス良く使うべきです。
化粧水だけでは、うるおいを与えられても、守る力が足りません。
逆に、クリームだけでは、うるおいを守れても、与える力が不足します。
それぞれのアイテムの役割りを理解して、うるおいをしっかりと与えて、守ってあげてうるおいに満ちた肌を目指しましょう。
保湿はスキンケアの基本であり、最も大事なケアでもあります。
ぜひ、保湿ケアをレベルアップさせ、健やかで美しい肌を目指していただきたいです。
この記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。