
花王のプレステージブランド「est(エスト)」のベーシックラインが、2025年10月にリニューアルされました。
“新・砂漠スキンケア”という発想を基に、ローション(化粧水)とエマルジョン(乳液)が発売されます。
非常に期待感の高いアイテムたちですが、それぞれ特徴の異なる3種類が同時に発売しています。

ローションはK、S、T。エマルジョンはM、B、L、とアルファベットで区別されています。
そうすると、それぞれの違いやどれを買えばいいか分からない、という方が必ずいると思います。
そこで、今回は3種類のエマルジョンの違いを、元化粧品開発者の視点で解説していきます。
この記事で、どのアイテムが自分にピッタリか分かると思うので、ぜひ最後までご覧ください。
3種類の基本スペックを比較

エスト ザ エマルジョン EXは3種類ありますが、まずは共通点をお伝えします。
- 価格:120g 7,370円(税込)
- 独自開発成分 エクトビオシス配合
- 高純度植物エキスを含む複合保湿成分配合
- 濃密なコクがあり、肌に密着し包み込むような使用感
- アクアティックフローラルの香り
3種類で価格に違いはなく、花王独自の成分が共通で配合されています。

高純度植物エキスは植物工場内の”est Plant”で、独自の方法で精製されたものを使っています。
次に商品特徴の違いをまとめてみました。
| 商品名 | 分類 | 特徴成分 | 目指す肌質 |
|---|---|---|---|
| ザ エマルジョン EX M | 化粧品 | 精製ウォータークレス複合エキス | 潤い溢れるつややかなハリ肌に |
| ザ エマルジョン EX B | 医薬部外品 | 精製チョウジ複合エキス | 潤って明るいハリ肌に |
| ザ エマルジョン EX L | 化粧品 | 精製ゲンノショウコ複合エキス | 潤い溢れる弾力のあるハリ肌に |
それぞれ、化粧品と医薬部外品で分かれていたり、高純度植物エキスの種類が異なっているのが分かります。
それによって、目指す肌質も変わってきています。

ただ、これでもまだちょっと違いは分かりにくいので、さらに細かく配合成分をチェックしていきましょう。
配合成分の違いとは

では、詳しく配合成分を見て、それぞれのエマルジョンの違いを明らかにしていきます。

まず、3種類のエマルジョンの全成分を並べてみました。
この情報を基にそれぞれの違いについて、見ていきたいと思います。
どれも似た構成で基本的にかなり高性能

どのエマルジョンにも配合されている成分を赤字にしましたが、ほとんどが赤字が並んでいます。
※pH調整剤や増粘剤などスキンケア効果に直接関係ない成分は省略してあります。
基本的な成分構成は、かなり似ているということが分かります。

Bは医薬部外品なので、同じ成分でも名前が違うものがあります。
そしてエクトビオシスや、花王オリジナルの疑似セラミド、保湿剤などもかなり配合されているので、どれも基本性能が言えます。

エクトビオシスはエクトイン、コハク酸ジグリコールグアニジン、トレハロース、グリセリンの混合物で、どれも高い保湿効果を持っています。

“砂漠スキンケア”と言うだけあって、化粧水と同様、保湿には相当こだわっていることが分かります。
植物エキスでコンセプトが変わっている

基本的な成分はかなり似ていますが、ウリとしている植物エキスは、それぞれ異なります。
| 商品名 | 配合されている植物エキス | 目指す肌コンセプト |
|---|---|---|
| ザ エマルジョン EX M | オランダガラシエキス ユーカリ葉エキス | 乾燥が気になる方へ。 潤い溢れるつややかなハリ肌に |
| ザ エマルジョン EX B | カモミラET キキョウ根エキス ローマカミツレエキス チョウジ抽出液 | 乾燥によるくすみの気になる方へ。 潤って明るいハリ肌に |
| ザ エマルジョン EX L | ショウガ根エキス セイヨウトチノキ種子エキス ゲンノショウコ花/葉/茎エキス | ハリ感のなさが気になる方へ。 潤い溢れる弾力のあるハリ肌に |
これらの違いによって、それぞれのコンセプトを分けています。
特にBのカモミラETは医薬部外品の有効成分として配合されているので、しっかりと美白効果が期待できます。

逆にカモミラET以外の植物エキスの効果はどれほどあるか不明なので、植物エキスにそこまでこだわる必要はないと考えています。
保湿剤やオイルで性能差が見られる

植物エキス以外でも、保湿剤やオイルにそれぞれ違いが見られます。
簡単に成分や特徴をまとめてみました。
| 商品名 | 特徴的な成分と配合目的 |
|---|---|
| ザ エマルジョン EX M | エチルグルコシド:うるおいを与える DPG:うるおいを与える ワセリン:うるおいを肌に閉じ込める |
| ザ エマルジョン EX B | シュガースクワラン:うるおいを肌に閉じ込める |
| ザ エマルジョン EX L | PEG-75:うるおいを与える |
Mにはうるおいを与えたり、閉じ込める成分が豊富に配合され、保湿力が高めに設計されています。

特にワセリンが特徴的で、肌のうるおいを閉じ込めるのが得意な成分です。
Bはワセリンと同じくうるおいを閉じ込める効果がある、シュガースクワランが配合されています。
ワセリンよりも軽いテクスチャーで、ほどよくうるおいを閉じ込めてくれます。

ワセリンはペースト状、シュガースクワランは液状で、同じオイル成分ですが、テクスチャーはかなり違います。
一方で、Lはうるおいを与える成分として、PEG-75が配合されており、肌を潤わせることに特化している印象です。

PEG-75は固形の保湿剤なので、べたつきにくく、うるおいを与える特徴があります。
これらの成分情報をまとめると、それぞれの特徴は以下の様になります。
| 商品名 | 特徴的な成分の影響 |
|---|---|
| ザ エマルジョン EX M | うるおいを与えたり、守る力がプラスされ、一番保湿力がある。 |
| ザ エマルジョン EX B | うるおいを守る力がプラスされ、美白もできる。 |
| ザ エマルジョン EX L | うるおいを与えるをプラスしつつ、べたつきは抑えている。 |
Mが一番濃厚で、保湿力があるタイプのようです。
そして、Bは少しオイリーに、Lは逆にみずみずしい感じに仕上がっています。

濃厚さで比較するとM>B>Lの順になりそうです。
まとめ:配合成分のちがい
3種類のエマルジョンの違いをまとめると以下の様になります。

骨格成分はかなり一緒で、基本的にどれも保湿力がかなり高い設計になっています。
その中でも、植物エキスや保湿剤、オイルなどで細かく違いがあり、スキンケア効果にも差があります。

似ているようで、それぞれちゃんと違いを出していました。
結局どれがおススメ?

主に配合成分に着目して3つのエマルジョンの違いを見てきました。
その結果を基に、簡単にどれを選んだらいいかをまとめてみました。
- とにかく保湿重視ならM
- 保湿しつつ美白効果も欲しいならB
- 保湿と使用感を両立させたいならL
3種類とも高機能な成分が配合されていて、どれを使っても満足度の高いスキンケアができます。
その中でもスキンケアの基本であり、最も大切な保湿力を重視するならMがおすすめです。
保湿もしたいけど美白もしたい、という欲張りな方はBがおすすめです。

医薬部外品で、美白効果がちゃんと認められているのが高ポイントです。
また、べたつきなど嫌な使用感を気にせず保湿をしたい方は、Lが最適だと思います。
まとめ:3種類のエマルジョンの特徴

3つのエマルジョンの特徴を簡単にまとめました。
| 商品名 | それぞれのエマルジョンの特徴 |
|---|---|
| ザ エマルジョン EX M | 追加の保湿剤やペーストオイルが配合され、保湿力が一番高い設計になっている。 |
| ザ エマルジョン EX B | 液状オイルのおかげで保湿力は十分ありつつ、美白効果もある。 |
| ザ エマルジョン EX L | べたつきやすい成分が少なく、保湿と使用感のバランスが良い。 |
基本的にどれも性能が高いので、どれを選んでも満足度は十分高いはずです。
あとは、ご自身の肌状態や肌悩みなどを加味しつつ、選んでいただければさらにスキンケアの満足度が上がると思います。
この記事がエストのエマルジョン選びに少しでも役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
エストのローションも違いを見ているので、良かったらこちらもご覧ください。
エストのローション比較は、
この「元化粧品開発者が3つのエスト ザ ローション EXの違いを徹底解説」をご覧ください。

