今回はセラミドに特化した乳液について、成分解析と使用レビューをします。
それが、こちらのケアセラ APフェイス&ボディ乳液です。
セラミドの研究に熱心なロート製薬から発売されている乳液です。
Amazonのボディミルク部門の売れ筋ランキング(2022年)で、1位を獲得するほど人気があるようです。
ただ人気があっても、購入前に配合成分や使用感をより詳しく知りたいと思われる方は、結構いるのではないでしょうか。
そこで、この乳液の配合成分の解析や使用レビューを通じて、真の実力を調べてみました。
この記事で、ケアセラ APフェイス&ボディ乳液の特徴が良く分かると思いますので、最後までご覧ください。
ケアセラ APフェイス&ボディ乳液の特長
まずは、簡単にケアセラ APフェイス&ボディ乳液の特徴をお伝えします。
7種のセラミド配合
ケアセラ APフェイス&ボディ乳液には7種類の天然型セラミドが配合されています。
セラミドは肌の一番外側に位置している角層に存在していて、しっかりと構造を作り並ぶことで、肌のバリア機能が発揮されます。
セラミドは構造によって多数に区別され、そのうちの7種類が配合されています。
セラミドはコラーゲンやヒアルロン酸と並び、化粧品の成分の中でも有名で、人気の高い成分になります。
世界初のセラミド成分を配合
ケアセラ APフェイス&ボディ乳液には7種類のセラミドだけでなく、さらに新しいセラミド成分が配合されています。
それが、ジヒドロキシリグノセロイルフィトスフィンゴシンという名称の成分です。
この新しいセラミド成分は、他のセラミドと混ぜることで、肌のバリア機能が高まるという研究結果が得られています。
この新しい成分と、セラミドの一種であるセラミド6Ⅱをひとまとめにして、セラミドプラスという名前で訴求しています。
この新技術に関しては、ロート製薬の研究開発リリースにも詳しい記載があるので、興味がある方はこちらもご覧ください。
肌へのやさしさもケア
ケアセラ APフェイス&ボディ乳液は肌へのやさしさへもこだわっています。
無香料、低刺激、パラベンフリーなど肌へのリスクもケアした商品設計になっています。
興味深かったのが、敏感肌の方の協力によるパッチテスト済みという点です。
敏感肌の方でパッチテストすることで、より厳しい試験となりますが、その分しっかりと肌への安全性が確認できる訳ですね。
敏感肌の方でも大丈夫だ、という自信があるからできるテストですね。
お値打ちな価格設定
ケアセラ APフェイス&ボディ乳液は200mLでおよそ1,000円程度と、かなりのプチプラアイテムになります。
かなり気軽に試せる価格設定がうれしいです。
ここで気になるのは原価の高いセラミドの配合量です。
ケアセラ APフェイス&ボディ乳液では7種のセラミドと新しいセラミド成分を押し出しているので、実際の配合量や効果は気になるところです。
そのあたりは成分解析で、詳しく見てみたいと思います。
ケアセラ APフェイス&ボディ乳液の成分解析
ケアセラ APフェイス&ボディ乳液の成分解析をしていきます。
以下が、全成分表示です。
水、グリセリン、BG、ワセリン、トリエチルヘキサノイン、ミネラルオイル、ペンチレングリコール、ステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、ラノリン、セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド6II、セラミドEOS、カプロオイルフィトスフィンゴシン、カプロオイルスフィンゴシン、ジヒドロキシリグノセロイルフィトスフィンゴシン、コレステロール、ベヘン酸、塩化Na、塩化K、ピリドキシンHCl、セリン、オリゴペプチド-24、ジメチコン、セタノール、ステアリルアルコール、トコフェロール、カルボマー、EDTA-2Na、TEA、セテアレス-25、PEG-60水添ヒマシ油、ベヘニルアルコール、フェノキシエタノール
こちらの情報を基に、特徴的な成分などをピックアップしますね。
セラミドの配合量は少なそう
ケアセラ APフェイス&ボディ乳液にはたくさんの種類のセラミドが配合されていますが、実際の配合量はそこまで多くないかもしれません。
主な理由は2つあります。
1つ目が原価です。
セラミド系の成分は非常に原価が高いです。
200mL、1,000円程度のアイテムでは、原価的に高配合は考えにくいです。
2つ目が配合の難しさです。
セラミドは結晶性が高い成分として有名です。
結晶性が高いということは、他のオイルに溶けずに塊で存在することになってしまいます。
そうなると、セラミドを肌に均一に届けることが出来ませんし、場合によっては製品の中に塊が出てきてしまいます。
この結晶性の高さを解決して、化粧品に配合するためには、他の成分とのバランスが重要になってきます。
このバランスが非常に難しいため、セラミドは安定的に高配合できないのです。
そして、ケアセラ APフェイス&ボディ乳液の全成分表示を見ても、セラミドの結晶性を抑える成分の配合量はそこまで多くなさそうでした。
以上2点から、ケアセラ APフェイス&ボディ乳液では、セラミドの配合量はそこまで多くないと結論付けました。
ただ、無いよりは絶対あった方がいいですし、新しいセラミド成分が少量でも十分に役割を果たしてくれているかもしれません。
セラミドは原価が高く、配合が難しいので、ケアセラ APフェイス&ボディ乳液にはそこまでの量は配合されていないと思われる。
配合量の多い成分は一般的な構成
化粧品を見る上では、配合量の多い成分がやっぱり重要です。
配合量の多い成分は、全成分表示の並び順から分かります。
ケアセラ APフェイス&ボディ乳液の配合量の多い成分を見てみると、非常に一般的な構成になっていると思いました。
配合量の多い成分は全成分表示の中でも、以下の通りと考えられます。
水、グリセリン、BG、ワセリン、トリエチルヘキサノイン、ミネラルオイル、ペンチレングリコール、ステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、ラノリン
非常によく見る成分が並んでいます。
肌にうるおいを与える水溶性の保湿剤では、
- グリセリン
- BG
- ペンチレングリコール
の3成分で、非常にオーソドックスです。
どの化粧品でも、いずれかの成分は配合されています。
それほどよく使われている保湿剤で、保湿効果は十分にありますし、肌リスクも高くありません。
そして、肌からの水分の蒸散を防ぐオイル成分は、
- ワセリン
- トリエチルヘキサノイン
- ミネラルオイル
- ラノリン
の4成分です。
どのオイルもとても多く使われている成分です。
どれも非常によく見る成分なのですが、その中でも少し特徴的なのが、ワセリンがオイル成分の中で一番多い点です。
ワセリンはペースト状のオイルで、肌の保護力がかなり高いです。
医療用としても使われることがある成分です。
そのため、かなりオイルの保護効果が期待できます。
一方で、ワセリンはべたつきの原因にもなりやすい特徴もあります。
ですので、ワセリンの高配合による使用感への影響が気になります。
実際の使用感に関しては、後ほど使用レビューでお伝えしたいと思います。
残りの以下の成分は水とオイルの成分を均一に混ぜる役割りの界面活性剤です。
- ステアリン酸ソルビタン
- ポリソルベート60
これらもめちゃくちゃよく使われる成分ですね。
全成分表示では、8,9番目なので、めちゃくちゃ多く配合されているわけではなさそうです。
界面活性剤は肌への刺激リスクになり得るので、配合量は少ないに越したことはないです。
配合量の多い骨格成分に関してまとめると、とにかくシンプルです。
シンプルな分、原価を抑えられるので、もしかしたらその分セラミドをしっかりと配合しようとしているのかもしれません。
骨格成分は非常にオーソドックスな構成。ワセリンが多めの配合なので、保湿や保護効果には期待できる。
骨格成分の原価は低いので、その分セラミドの配合量を増やしている??
成分解析まとめ
ケアセラ APフェイス&ボディ乳液の成分解析をした結果、以下の結論となりました。
セラミドは高配合しにくい成分で、販売価格からあまり高配合されていないと考えられました。
骨格成分は非常にオーソドックスですが、ワセリンの割合が多いので、少し特徴的な使用感になることが予想されます。
ただ、骨格成分がシンプルで原価を抑えれられるので、その分セラミドの配合量をできるだけ多くしていることも考えられました。
ケアセラ APフェイス&ボディ乳液の使用感レビュー
では、実際の使用感はどうでしょうか。
使ってみたレビューをまとめます。
まずは、手の甲で使用感を見てみます。
出すと、ぽてっとした感じで、乳液としては少し高めの粘度です。
垂れにくいので、使いやすいです。
塗り伸ばしてみると、出した時の粘度の高さに反して、すっと軽く伸びていきます。
ボディなどに使った場合でも、全身を簡単に塗り伸ばしていくことができます。
肌なじみは思ったより早い印象でした。
なじんでくると、ぐっと重みを感じてきます。
なじみ終わると、高い保湿力と密着感のある膜感が残ります。
このテクスチャーがケアセラ APフェイス&ボディ乳液の一番の特徴だと思います。
この使用感は、主にワセリンや他の液状のオイル由来と思われますが、セラミドも意外と存在感がある気がします。
セラミドには他のオイルにはない、独特の密着感を持っています。
成分解析ではセラミドの配合量はそこまで多くないと考察しましたが、少量でもテクスチャーには存在感が出てきます。
そのため、ケアセラ APフェイス&ボディ乳液の独特な膜感は、ワセリンや液状のオイルとセラミドのバランスで作られていると思われます。
なじんだ後もしばらくは、保湿感が続いていました。
保湿力はやはり高いですね。
持続力もそこそこあります。
保湿感の割には、べたつきは比較的抑えられています。
ただ、使用量によっては、どうしてもべたつきが気になるおそれがあります。
そのため、使う方それぞれの適量を見つける必要があり、慣れが必要かもしれません。
ボディにも使ってみましたが、伸びが良いので、体全体に薄く塗り伸ばせます。
少量を薄く塗っても、程よいしっとり感に包まれます。
顔に使うよりもボディに使う方が、ちょうどよいテクスチャーで合っている気がしました。
・独特の膜感があり、保湿力が高い。
・顔にもいいが、ボディケアの方がより適していると思う。
総合評価
ケアセラ APフェイス&ボディ乳液の成分解析と使用レビューをしてみました。
複数の既存のセラミドと、新しいセラミド成分の配合が特徴ですが、実際はそこまで配合量は多くないと予想しました。
ただ、実際に使ってみると意外とセラミドっぽい使用感も感じられ、かなり保湿力が高かったです。
保湿はスキンケアの基本かつ重要な要素なので、十分活躍してくれるアイテムだと思いました。
また、顔で使うのも良いですが、ボディで薄く使うのも良い使用感でした。
この保湿力の高さで、1,000円ほどの価格は相当コスパが良いアイテムです。
ケアセラ APフェイス&ボディ乳液はこんな人におすすめ
ケアセラ APフェイス&ボディ乳液の総合評価から、以下の方におすすめしたいと思いました。
・乳液には保湿力を優先したい方。
・成分にそこまでこだわりが無く、コスパ重視の方。
・ボディケアをこれから始めたい方
特にこれまでボディケアをしていなかった方が、これから始めようとするにはピッタリな1本だと思います。
めんどくさがりな方は、顔もボディもこれでまるっとケアしてしまうのもいいですね。
それ以外にも、顔はもう少し高めのアイテムでケアして、ボディはケアセラ APフェイス&ボディ乳液でケアで保湿しておくのもおすすめです。
身体は面積が広く、塗る量も多くなるので、コスパの良いアイテムが適しています。
おろそかになりがちなボディケアを、このアイテムで始めてみてはいかがでしょうか。
そのほかのスキンケアアイテムもレビューしています。
この「【元化粧品開発者視点】いろんなプチプラ基礎化粧品を解析、レビューしてみた」も是非ご覧ください。