皆さんはブースター・導入美容液は使っていますか?
なんとなく良さそうだから使ってるという方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。
ですが、ちょっと待ってください!!
しっかりとブースター・導入美容液について理解していないと、意味のないケアになってしまうかもしれません。
そこで、元化粧品開発者の観点でブースター・導入美容液についてご説明したいと思います。
この記事を読んでいただければ、ブースター・導入美容液について詳しくなり、賢く使いこなせるようになります。
ぜひ最後までご覧ください。
ブースター・導入美容液の基本的な効果は浸透促進
まずはブースター・導入美容液のキホンについてお伝えします。
ブースター・導入美容液の役割
ブースター・導入美容液の基本的な役割は、その後に使うアイテムの浸透を促進させることです。
これによってその後のアイテムの効果を底上げする訳ですね。
これだけ聞くとスキンケア効果を向上させるすごいアイテムのように感じます。
ブースターや導入液、導入美容液など様々な呼び方がありますが、どれも基本的な考え方は同じです。
使用方法としてはスキンケアの一番最初に使うのが一般的で、その後に化粧水、乳液・・・とスキンケアしていきます。
浸透促進の理屈
ブースターや導入美容液がどうしてその後のアイテムの浸透を促進するか、簡単に理屈をお伝えします。
そもそも肌は、外界から異物が侵入しないように角層のバリア機能が働いています。
このバリア機能があるため、異物だけでなく化粧品も簡単には浸透しません。
そこで導入美容液は、化粧品の浸透を促進するために一時的に角層のバリア機能を低下させます。
その役割をするのが、導入美容液に配合されている界面活性剤やエタノールといった成分です。
これらの成分は、肌のバリア機能を担っている角層の構造を緩めたり、角層の疎水性(水弾き)を低下させる働きがあります。
これらの働きによってバリア機能が低下し、その後のアイテムの浸透が促進されます。
引用させていただいた図も、導入美容液の界面活性剤によって、肌の水弾きが低下し、なじみが良くなっていると考えられます。
写真で見比べると化粧水の馴染み方にしっかりと差が見られますね。
肌なじみの良さと肌への浸透には相関があると言われており、化粧品の肌へのなじみ方は非常に重要です。
ブースター・導入美容液は必要ない?
先ほどお伝えしたとおり、ブースター・導入美容液は次に使うアイテムの浸透を促進してくれるため、非常に有効なアイテムのひとつに思えます。
しかし、中にはブースターや導入美容液は必要ないと言う声も聞かれます。
実は、私もどちらかというとブースターや導入美容液は、あまり必要がないアイテムだと考えています。
なぜなら、以下の理由があるからです。
それぞれ少し詳しくお伝えします。
化粧品の浸透にはリスクがある
化粧品は浸透するのが良いと思われがちですが、リスクもあります。
なぜなら化粧品は様々な成分で作られており、その中には肌の刺激リスクになるものもあるからです。
パラベンなどの防腐剤は、刺激リスクの代表成分としてよく挙げられます。
導入美容液などで浸透を促進すると、そういった肌の刺激リスクがある成分の浸透も促進されてしまいます。
そのため、化粧品の浸透促進は肌への効果を高める一方で、リスクも高くしていると考えられます。
浸透しないことは良いこと
少し不思議に思われるかもしれませんが、浸透しないということは実は良いことです。
なぜなら、それだけ肌のバリア機能がしっかりと保たれていることを意味するからです。
そのような肌状態の良い方は、そもそも健康な肌なので無理に化粧品を浸透させる必要がないです。
逆にバリア機能が弱っていると、肌に化粧品が浸透しやすくなっているので、わざわざ浸透を促進させる必要がありません。
以上の点から、バリア機能が良い方にも悪い方にもそこまで必要とされないと考えています。
化粧品の浸透が促進されると肌へのリスクも増えるし、化粧品が浸透しにくい肌は健康なのでそれはそれで問題ない。
ブースター・導入美容液のおすすめ使用方法
先ほど導入美容液は不要である理由をお伝えしましたが、全く不要であるとも思っていません。
次の目的で使う場合は、導入美容液のメリットを活かせると考えられ、おすすめできます。
・美白や抗シワ効果のある医薬部外品の前に使い、有効成分の効果を高める。
この方法をおすすめする理由は2つあります。
1.美白や抗シワの効果は浸透が重要だから。
2.医薬部外品の有効成分は効果が認められる量を配合されるから。
それぞれ詳しくお伝えします。
美白や抗シワの効果は浸透が重要だから
まず、美白や抗シワの効果はその有効成分が肌の深部(基底層)まで届き、生きた細胞に働きかけること発揮されます。
そのため、有効成分をしっかりと浸透させることが重要になります。
逆に保湿効果などでは肌の深部まで浸透させる必要がなく、一番外側の角層で作用すればいいので深部までの浸透は必要ありません。
以上のことから、美白や抗シワの効果を発揮させたい場合は浸透にこだわるべきで、導入美容液の存在価値が高まります。
医薬部外品の有効成分は効果が認められる量を配合されるから
医薬部外品の有効成分は、効果が期待される量が配合されています。
医薬部外品はルールが厳しく、販売するには厚生労働大臣の承認が必要です。
そのため、この有効成分を浸透促進させ、効果を高める導入美容液の使い方は理にかなっていると言えます。
一方で化粧品の成分の場合、少しでも入っていれば全成分表示に記載することができてしまいます。
そのため、実際のところ効果が期待できる量をちゃんと配合されているか分かりません。
せっかく導入美容液で浸透促進させても、少ししか美容成分が配合されていなかったら意味がありません。
そのため、しっかりと有効成分が配合されている医薬部外品の前に導入美容液を使えば、有効成分の効果向上が期待されます。
使用時の注意点
導入美容液のおすすめの使用方法をお伝えしましたが、健康な肌状態であることが前提であることを留意してください。
肌状態が健康でないとバリア機能は低く、そもそも化粧品の浸透はしやすい状態にあります。
そのような状態で導入美容液を使っても、その効果は薄いです。
むしろ導入美容液によってバリア機能を低下させてしまい、肌状態を悪化させる可能性もあります。
あくまで導入美容液は、健康な肌状態でバリア機能が高いので、一時的にバリア機能を弱めて化粧品の浸透を上げる、という点を理解していただきたいです。
まとめ
ブースター・導入美容液について、元化粧品開発者の視点で解説してみました。
簡単にまとめると以下の様になります。
導入美容液は基本的には必要性をあまり感じませんが、特定の使い方をされる場合は強い味方になると思います。
とりあえず、浸透促進すればなんでもOK、という考えは持たれないようにしていただきたいです。
そうでないと、導入美容液に無駄な時間とお金を使ってしまうことになります。
正しい知識を持って、かしこくスキンケアをしていただきたいです。
今回の記事が皆さんの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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